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世の中が急速にIT化が進展する中、IT人材の不足が叫ばれています。そのような背景から、IT人材の平均年収は、他産業に比べて高い水準となっています。経済産業省が平成29年に出している「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」によると、日本では、全産業の平均年収に対し、IT人材の年収は1.8倍程度になっています。
では、ITエンジニアの年収を職種別にみてみると、どのような傾向があるのでしょうか?
以下はIT人材について、職種別の年収平均を表したグラフです。ITエンジニア以外の職種も含まれていますが、傾向を掴むのには参考になります。
※出展:経済産業省 平成29年「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果
この図から、コンサルタントやプロジェクトマネージャー、基盤設計担当・アーキテクトといった上流工程を担う職種の給与が高い傾向がうかがえます。また、DBやセキュリティの領域も給与が高いのがわかります。対して、開発や実装を担うプログラマーや運用保守を担う職種は全体と比べて給与が低い傾向があります。
続いて、ITエンジニアの年代別の年収をみていきましょう。以下は、20代〜50代のIT人材の年収分布を示した図です。年代別の中央値をみてみると、20代の平均年収:413万円、30代の平均年収:526万円、40代の平均年収:646万円、50代の平均年収:754万円となっています。年代ごとにざっくり約100万円ずつ上がっていくような形です。この背景には、日本の年功型賃金があるといえるでしょう。また、最大値をみると、20代と30代では変わらないですが、40代から急に高くなっており、大きく差がつく年代といえます。
IT人材の年代別の年収分布
※出展:経済産業省 平成29年「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果
ITエンジニアが年収を上げるためにはどうすればよいでしょうか?これを考えるにあたり、給与を支払う企業側の視点から考えてみるのも役立ちます。さっそくみていきましょう。
以下の図は、企業がIT人材の給与を決める際に重要だと考えるスキル項目についての調査結果です。ここから給与決定には、「ITスキルレベル」 「コミュニケーション(マネジメント)能力」「成果」が重要であることがみてとれます。
給与決定に影響を与える項目
※出展:経済産業省 平成29年「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果
以下は、社内で高年収を得るIT人材が何を評価されているのかを年齢別に示した図です。20代や30代は「実務的技術力及びそれに基づく実績」が評価され、40代・50代は、「マネジメント能力及びそれに基づく実績」が評価されていることがわかります。年収を上げていくためには、目の前のミッションを達成し続けるとともに、次のステップを意識してスキルアップしていく必要があるでしょう。
年齢別の最高年収達成要因
※出展:経済産業省 平成29年「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果
IT関連の資格はたくさんありますが、そもそも、資格取得が年収アップにつながるか興味をもっているエンジニアの方は多いと思います。
以下は、IT人材のスキルレベルを図る基準として、どの項目を重視しているかを企業に調査した結果です。これによればスキルレベルを図るうえで「保有資格」が重視されていることがわかります。また、受託システム開発では重視度が高く、Web関連サービスでは重視度が低いといった傾向もみられます。
※出展:経済産業省 平成29年「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果
日本と海外ではエンジニアの年収でどのような違いがあるでしょうか?こちらについては、以下の記事にまとめていますので、興味がある方はご一読ください。
今回は、ITエンジニアの年収事情や、年収を上げるために必要な視点について解説しました。年収を上げたいと思うのは、誰もに共通することと思います。しかし、闇雲に進むことはおすすめしません。特に将来の見通しについてしっかりと考えずに転職したり、フリーランスになったりするのはリスクがあるので注意が必要です。自身のやりたいことと、時代に求められるスキルを見定めながら、業務や学習に取り組むことが重要です。
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