SIerがWebエンジニアへ転職する時に失敗しがちな理由とは

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こんにちは。Techclipsエージェントのキャリアコンサルタント長尾です。

最近、SIer出身のエンジニアがWeb業界に転職したいという転職希望者が増えています。ですが、必ずしもすべてのSIerがWeb業界のエンジニアへ転職できるというわけではありません。今回は、SIerがWeb業界のエンジニアへ転職に失敗する人と成功する人の違いについてご紹介します。

SIerとWeb業界のエンジニアの違い

そもそも、SIerとWeb業界のエンジニアとは何が違うのでしょうか。まずはこの部分から考えてみましょう。

SIer(エスアイヤー)はSystem Integrator を語源とする造語です。Web業界のエンジニアと決定的に違うのは、クライアントの案件有りきでシステムを作る事です。そしてその多くはクライアント社内の基幹システムであったり、サブシステムであったりして、一般的にはお目にかかる事が少ないシステムが大半をしめます。ユーザの社内システムですから、作ったサービスを自ら使う事はできません。

SIerは設計の期間が長い傾向があります。プロジェクトの長さが1年だとしたら、設計に6ヶ月、実装・単体テストに2ヶ月、残りの4ヶ月を結合テスト・総合テスト・ユーザテスト。そして本番導入に至ります。実際にプログラミングをしているのは短期間ですね。もちろん、実装の期間までにミドルウェアが顧客要求を満たす事ができるか?立証する為のテストコードを書くような事はあります。

設計はドキュメントに纏められます。このドキュメント類も「基本設計書」「機能設計書」「詳細設計書」「試験計画書」「試験結果報告書」「性能設計書」「運用設計書」などと言う名前でシステムと同じく納品物になります。そのため、慣習的にドキュメント類のレビューも多くなります。プロジェクト規模によってはチーム内レビュー、グループ内レビューを経てユーザレビューまで進み、多くの時間を費やしたにも関わらず、場合によっては差し戻されます。

一方、Web業界のエンジニアはプロダクトが走り始めたらすぐに環境を作り、プログラムコードを書き始めます。実績のあるクラウド環境を利用し、オープンソースのフレームワークを使って、詳細な部分は詰めて修正していくと言うやり方ですね。設計書はと言えば、プログラムコード中にコメントを入れる事も少なく、githubへコミット時のコメントに記載するなど簡略化が進んでいます。

SIerの働き方

そもそも、なぜSIerへ就職したのか?と言う事になりますが、大抵の場合は就職にあたってのIT業界に対する調査や、企業研究が不十分だったのかもしれません。誤解しないでほしいのは、決してSIerはダメだと言っているわけではありませんよ。ITと言っても幅広くある業態の中で、何を目指してどこに就職したか?そしてそれは自分の望んでいた職業だったのか?が大事なのです。

SIerとは名ばかりでSES契約(Soft Engineering Service)での客先への常駐派遣をメインとした会社も少なくありません。数で言うなら圧倒的にこちらの方が多いと思います。前述したようにプロダクトが「顧客有りき」のケースが多いので、来年4月のサービスインを目指して、設計時はこのくらいの人数、実装・テスト時にはその倍の人数を調達する事により、稼働の調整が図りやすいのがSIerのプロジェクトマネージメントサイドとしてのメリットです。

一方、実際にプログラムコードを書くエンジニアは詳細設計フェーズくらいからプロジェクトに合流し、詳細設計を作成してその通りにコーディングを行います。テストフェーズをこなしてサービスリリース付近になると契約満了するため、一人あたりのコーディング量はさほど多くはありません。

そして、次のプロジェクト先へと転々としていきます。中には業務量が多く常にプロダクトがあるような会社に数年単位で常駐し、自社へ帰るどころか連絡をとることも少なく、自分がどこの社員なのか?何者なのか?がわからなくなると言ってSIerを辞めると言う話もよく聞きます。

SIerがWeb業界のエンジニアの技量へ近づくには

Web系事業会社に所属するエンジニアに比べて、SIerは圧倒的に書いてきたプログラムコードの量に差が出てしまいます。新卒で配属されてから、同じように経験を3年経たとしても、能力の差が歴然とします。また、オープンで自由な雰囲気の企業が多いWeb系事業会社に比べると、SIer出身者は、思考能力・アイデア・提案力がやや劣る印象が見受けられます。これはウォーターフォールの指示系統に慣れてしまい、自ら提案する習慣が少なくなるからでしょう。

では、SIerがWeb業界のエンジニアに転職するにはどうすれば良いでしょうか?

プログラムコードを書き足りていないと感じているのであれば、空いた時間を使って補いましょう。自宅プロジェクト発足です。一日に一定量のプログラムコードを書く、OSSのプログラムコードを読みこんで理解する、勉強会に参加する、業務では使わない言語のスクーリングに通うなど、やり方は幾通りもあります。

差がつくのは、人が見ていないところで他人以上に錬成を積む事です。学校で初めてプログラミングを習った時、或いは入社後の社内研修で初めてプログラミングを習った時に、課題についていけず、補習を受けたり自宅でチャレンジしたりした経験はありませんか?その時の事を思い出してみてください。自主学習を「努力」ととるのか、それとも「将来の自分への投資」ととるかです。

継続するコツは定量を決めて毎日少しずつか、週末のどちらか一日をその時間に充てることから始めてみてください。時間でもステップ数でもいいので定期的に定量分だけ続け、成果はgithubなどにコミットしていくのが良いでしょう。「どれだけ深く考えられたコードが書けるか」「コーディング標準に従っているか」「適切なクラス設計ができているか」「処理はモデルに書かれていてコントローラが肥大化していないか」なども大事ですが、それよりも定期的にgithubが更新され「勉強する習慣がついている」ことを評価してくれる企業が多いと感じています。

どんな環境で何を作る?

例えばPHPが書けるのであれば、業務では使って無いモダンなフレームワークを使うところから始めてみてください。

1.フレームワークの設計思想を理解する
2.チュートリアルを作成
3.チュートリアルの表示項目を追加して入出力を増やす
4.新たなコントローラを追加し、新機能を考えてみる

フレームワークを活かして、シンプルなCMSが作れるようになれば自信に繋がります。その過程において、AWSやGCPのようなクラウド環境に展開すると、普段は触る事の無い環境構築へのスキルアップになります。さらに、PHP5.xで書かれた古いライブラリのソースを読んで、PHP7.xへバージョンアップする経験を積むのも力になります。

PHPで王道のフレームワークがそれぞれ使えるようになったのであれば、次はRuby、Python、Javaなど他の言語に挑戦してみましょう。いずれもデファクトスタンダードになったフレームワークがあるので、同じ要領で挑戦することができます。先にも書きましたが、作業の成果はgithubにコミットしてくださいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。Sierの皆さんがWeb業界のエンジニアへ転職する時に失敗しがちな理由は、ずばり「転職へ向けた準備ができていない」ということです。今からでも遅くないので、本記事を読んで刺激や気づきを感じたのであれば、今日から少しずつ始めてみてくださいね。明日に先送りすると、やる気を無くしてしまいますよ!

最後に、SIerからWeb業界のエンジニアへ転職をお考えであれば、TechClipsエージェントにご相談ください。TechClipsエージェントでは、ITエンジニアに特化した転職を無料で支援するエージェントサービスです。ITエンジニアの皆さんが高年収を貰えて働きやすい環境を提供してくれる求人情報を保有しているので、興味がありましたらぜひよろしくお願いします。