転職を考えているITエンジニアの方の中には、職務経歴書をどのように書けばよいのかわからず、お困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
職務経歴書は、「自分自身(応募者)のこれまでの経験や備えている知識・スキルをまとめた書類」です。企業の人事担当者は、履歴書で読み取った人物像をベースに、職務経歴書で具体的にどのような知識・スキルを持った人材なのかを確認します。
ITエンジニアの採用においては、とくに知識やスキルが重要視されるため、職務経歴書はわかりやすく丁寧に仕上げることが大切です。
そこで今回は、ITエンジニアの転職における職務経歴書の書き方を解説します。これから職務経歴書を作成する方は、ぜひ参考にしてみてください。
企業の採用担当は職務経歴書から何を判断しているのか?
企業によって多少の好みの差はあるが、採用したい人材はどこも一緒
「相手に自分に対して好印象を持ってもらう」ということを考えた場合、相手が何を見ていてどういった人を好むのか?を知っておくことが重要です。
これは転職活動においても同様です。
人事担当者がどういったエンジニアを求めているのか?を知り、それにあわせて職務経歴書を書くのが望ましいでしょう。
キャリアコンサルタントを務めさせていただいて感じることは、「企業によって多少の好みの差はあるが、採用したい人材はどこも一緒」ということです。
それでは、実際にどういった基準や視点を持って職務経歴書を見ているのか? 以下で解説します。
人物像
人物像に関しては、以下の基準や視点で確認している傾向があります。
責任感・生真面目さ
・仕事において重要な性格因子です。弊社の研究でも、責任感のレベルが高い方は基本的に採用される傾向が高くなっています。
ストレスへの耐性
・業務においてストレスやプレッシャーというのはどうしてもかかってしまいます。その中でどの程度の負荷まで耐えられるか?ということも採用側では見ています。 Google、Amazonなどでもストレステストがあるということは有名ですよね!
知的好奇心
・ITエンジニアは、新しい知識を吸収しながら事業に対応するスキルや問題解決能力を高めていく仕事であるといえます。新しい知識や技術に対して、貪欲に興味をもって学べるか?というところも重要な評価点です。
自発的な行動ができるか
・こちらは組織によっても異なりますが、とくに事業を保有している企業のシステムエンジニアにとっては求められる姿勢です。
・サービスには正解がないため、ある程度の模索が必要です。その際に課題を発見し、 チームや組織に対して提案を行いながら、自発的に行動していることが求められます。
リーダーシップやチームへの貢献
・もちろん、スペシャリストとしての働き方も確認しています。しかし、スペシャリストだとしても自分自身の技術の向上だけのためにチームに所属していてはいけません。チームに貢献する意識、もしくはチームを牽引するリーダーシップを持っているエンジニアが重宝されることはどの役割においても変わりありません。
スキルセット
スキルセットに関しては、以下の基準や視点で確認している傾向があります。
スキルセット・経験
・エンジニアという職業は「職人」であり、「手に職」といわれるように技術力が最も重要だと考えています。自分の技術やスキルセットを証明するための経験や知識、または資格が必要になるでしょう。
今後・成長の余地
・ITエンジニアにとってスキルの向上は最も必要なものです。「Javaで書いているのであればPHPもいけるだろう」「ReactをやったことがあるのであればTypeScriptもいけるだろう」「これだけの短い期間で技術を習得しているので、今後もキャッチアップしていけるであろう」など、人事担当者は職務経歴書を見ながら判断をしています。
具体的な職務経歴書の書き方
次に、職務経歴書の具体的な書き方と注意点をご紹介します。
職歴
職歴については、以下のとおりです。
記載内容
- 会社名
- 勤務期間
- 企業事業内容
- 従業員数
- 上場区分
- 雇用形態(正社員 or 契約社員 etc.)
注意点
基本的な概要になるため、正確に記載することが重要です。
プロジェクト情報
プロジェクト情報については、以下のとおりです。
記載内容
- プロジェクト名
- プロジェクト期間
- プロジェクト概要
- 担当フェーズ
- 業務内容プロジェクト
- メンバー数
- プロジェクト内ポジション
注意点
とくに重要なのは、プロジェクト概要、担当フェーズ、業務内容、プロジェクト内ポジションです。自分自身がどのようなプロジェクトに参画し、どのような立場で仕事をしてきたのか?をありありと伝えていく必要があります。
とくに業務内容の部分に関しては、自分自身が工夫した点、注意した点、苦労した点なども記載しておくとよいでしょう。
開発環境
開発環境については、以下のとおりです。
記載内容
- OS
- プログラミング言語
- DB
- フレームワーク
- ツール
注意点
ITエンジニア採用において人事担当者が最も見ているポイントです。自分自身が携わっていたプロジェクトの開発環境に関してしっかりと記載するようにしましょう。
また、どの言語を何年ほど使用しており、どのレベルに達しているのか? ということもまとめて記載していくとより丁寧です。
資格
「エンジニアにとって資格は意味がない」とおっしゃる方もいらっしゃいます。ただ、SESやSIerにおいては一定有効であると私たちは考えています。
資格を保有していることは、ある一定のレベルの技術を習得するため勉強を重ねた証明になります。
とくにSESにおいては、プロジェクトへの参画に関して強い要因を持つといっても過言ではありませんので、積極的に資格を取得する、また資格取得のために勉強を重ねていくことは重要でしょう。
実務未経験のエンジニアにとってはとくにいえることですが、取得難易度が高い資格に関しては今後の業務に関係ないとしても記載するようにしましょう。
その理由としては「自分たちの会社に入社してもらった後にも自学自習ができるか?」「勉強する癖がついているか?」などを人事担当者が判断しやすくなるからです。
自由記述欄
基本的には記載する必要はありません。
ただし「自分自身の今後のキャリアのあり方」や「これまでどういうことを考え、努力を続けてきたのか?」ということを記載すると、人事担当者によりよい印象を与えやすくなります。
転職を希望しているITエンジニアの中にはごく稀に、自分自身が働きたい環境の希望条件を羅列する方がいらっしゃいます。 もちろん条件なども精査する必要がありますが、職務経歴書に積極的に自分自身の希望条件を記載することは、転職活動においてプラスに働くことは少ないといえます。
そのため、たとえば家族に何か特別な記載事項があり、この条件がないと働けないという場合にのみ記載するようにしましょう。
職務経歴書を作成する際のポイント・注意点
職務経歴書は、以下でご紹介するポイント・注意点を踏まえて作成することが大切です。
2〜3枚に収める
「書類選考を確実に通過したい」「何としてでもこの会社に採用されたい」という想いが強いあまり、職務経歴書を何枚も書く方がいらっしゃいます。
しかし、忙しい人事担当者にとって何枚もの職務経歴書を確認することは負担になる可能性があります。そのため、職務経歴書は内容に応じて2〜3枚に収めることをおすすめします。
逆編年体形式で書く
職務経歴書のフォーマットには、一般的に以下の3つがあります。
- 編年体形式:初入社の企業から、時系列に業務内容をまとめる
- 逆編年体形式:転職前まで働いていた企業で担当した、最も新しいプロジェクトからさかのぼって業務内容をまとめる
- キャリア形式:これまでに経験した分野やプロジェクトごとに業務内容をまとめる
多くの企業は、直近でどのようなプロジェクトに携わっていたのかを最も重視します。そのため、職務経歴書は逆編年体形式で書くのがよいでしょう。
得意分野ではスキルの広さ・深さをアピールする
職務経歴書に得意分野を書く際は、スキルの広さ・深さをアピールするとよいでしょう。
たとえば、スキルの広さは「複数の言語で開発ができる」、スキルの深さは「開発技術だけでなくお客様の要望をヒアリングしたりメンバーのスケジュール管理ができる」などと具体的に書くのがおすすめです。
あわせて、自らに備わっているスキルをどのように活かすかまで書けると、人事担当者に好印象を持ってもらいやすくなるでしょう。
テクニカルスキルではそのレベルと使用期間を書く
テクニカルスキルについて書く際は、どの程度のレベルなのか、使用期間はどれくらいなのかをしっかり伝えることが大切です。
たとえば「Javaが使えます」とだけ書いた場合、人事担当者は応募者がどれほどの能力を持っているのか正確に判断することができません。これでは自分自身のスキルを正しくアピールできないため、「Javaをプログラミングに利用できる」「Javaの指導が可能なレベル」「Javaの使用期間:1年」などと、具体的に書くようにしましょう。
開発経歴は具体的かつ簡潔に書く
開発経歴は人事担当者が最も注目する項目なので、具体的かつ簡潔に書くことが大切です。具体的には、開発期間・業務内容・開発規模・開発環境・自らの役割を分けて書くとよいでしょう。そうすることで、どのような環境でどのような業務を行ったのかが、人事担当者に伝わりやすくなります。
職務経歴書が完成したら必ずチェックしよう
職務経歴書が完成したら、提出する前に必ず自己チェックをしましょう。
誤字脱字はないか
自己チェックする際、とくに目を光らせたいのが「誤字脱字」です。いくら丁寧に作成していても、誤字脱字だらけだと人事担当者にマイナスな印象を持たれてしまう可能性があります。
そのため、職務経歴書が仕上がったら一文字ずつミスがないか確認するようにしましょう。
意味が伝わりやすい文章・読みやすいレイアウトになっているか
職務経歴書の文章は、誰が読んでも同じ意味で理解できるように書くことが重要です。もし専門用語を多用しており意味がわかりづらい文章になっている場合は、読み手の気持ちになって修正するようにしましょう。
このほか、読みやすいレイアウトになっているかも確認することが大切です。改行がなかったり行間が狭すぎたりして読みづらい仕上がりになると、人事担当者からの印象が悪くなる可能性があります。そのため、もし自己チェック時に読みづらさを感じたら、見出しや箇条書き、表などを上手に取り入れて読みやすいレイアウトに整えましょう。
ほかの応募書類の内容と齟齬はないか
職務経歴書とほかの応募書類の内容に齟齬がある場合、人事担当者に不信感を持たれてしまう可能性があります。そのため、職務経歴書が完成したら履歴書の内容と統一できているか、必ず確認することが大切です。
おすすめツール
各エージェントや転職サイトでは、サービスとして職務経歴書をお渡ししているケースがあります。
しかし、ITエンジニアとして転職する場合は、ITエンジニアに特化した職務経歴書が必要になるでしょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
ITエンジニアとして転職する際は、まず「採用側が何を考えていて、どういった人材を求めているのか」をしっかりと理解する必要があります。
その上で職務経歴書に自分自身のアピールポイントやキャリアプランを記載すれば、人事担当者により好印象を与えられる仕上がりになるでしょう。
それでも、もし書き方や「これでしっかりとアピールできているか?どの部分を立たせた方がいいのか?」 などと迷われる方がいらっしゃいましたら、 お気軽に弊社の転職エージェントサービスにご相談ください。
弊社の転職エージェントには、エンジニア経験や開発経験を持ったキャリアコンサルタントが在籍しております。 転職を考えていらっしゃるITエンジニアの悩みに寄り添いながら、転職成功をサポートさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。
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