転職を決意したものの「どのように転職するのがベストなのか」と悩み、なかなか一歩踏み出せずにいる方もいるのではないでしょうか。
転職手法には複数の種類があるため、その中から自分に合った手法を選ぶことが大切です。
そこで今回は、転職手法の種類とそれぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。自分に合った転職手法を選択するためにも、この記事を通して理解を深めましょう。
転職手法の種類
転職手法には、主に以下の5つの種類があります。
転職エージェントの利用
転職エージェントとは、主に求職者の転職活動をサポートするアドバイザー(人材紹介サービス)のことです。求職者のスキルや経験、転職理由、希望などをヒアリングした上で、求職者に合った企業を紹介してくれます。また、求職者に代わって企業と直接交渉し、最適な条件を引き出してくれることもあります。そのため、ひとりで動くよりも効率よく転職活動が行えます。
転職サイトの利用
転職サイトとは、企業の求人情報を掲載しているWebサイトのことです。さまざまな業界・職種の求人が掲載されているケースが多いため、複数の求人情報を比較しやすくなっています。
転職サイトによっては「正社員雇用」「年収◯円以上」などの条件を指定して検索することも可能なので、自らの希望に合った求人を見つけることができます。
直接応募
興味を持った企業のホームページを確認し、求人情報があればそこから直接応募することも、転職手法のひとつです。自分自身と企業との間に仲介者がいないため、企業と直接コミュニケーションを取ることができます。
人脈・ネットワーキングの活用(リファラル)
自分の知り合いやビジネスパートナーを通じて、求人情報を得られることは珍しくありません。また、業界のイベントやセミナーに参加して人脈を広げ、新たな求人情報を得ることも可能です。
こうした人脈・ネットワーキングを活用することで転職活動の第一歩を踏み出せることもあり、これも立派な転職手法といえます。
スカウトを待つ
「LinkedIn(リンクトイン)」をはじめとするビジネスSNSや転職サイトで自らのスキルや経歴を公表し、企業からスカウトを待つ方法もあります。
仮にスカウトされた場合、その企業は自分に対して好印象を持っていると判断できるため、さまざまな条件がマッチすればスムーズに転職することが可能です。
転職エージェントを利用するメリット・デメリット
ここからは、それぞれの転職手法別にメリット・デメリットをご紹介します。
まずは、転職エージェントを利用するメリット・デメリットです。
メリット
転職エージェントを利用するメリットには、主に以下の4つが挙げられます。
自分に合った仕事を見つけやすい
転職エージェントは、転職市場の動向や業界情報、企業の詳細などに精通しています。そのため、自らのスキルや経験、希望を伝えれば、自分に合った仕事をスムーズに見つけることが可能です。
効率的よく求人情報を探せる
自分に合った求人情報をひとりで探し見つけるのは、そう容易ではありません。
その点、転職エージェントを利用すれば、自らのスキルや希望を踏まえた上で求人探しをサポートしてくれるため、効率よく適切な求人を見つけられます。
交渉を代行してくれる
求職者自ら企業に給与や待遇の交渉を行うと、場合によってはトラブルに発展することがあります。
その点、転職エージェントを利用すればそうした交渉をエージェントが代行してくれるため、トラブルを未然に防ぐことができ、よりよい条件で転職できる可能性があります。
非公開求人を紹介してもらえる
転職エージェントは、人材採用を検討している企業から直接依頼を受けて求人情報を保有しており、その中には一般には公開されていない非公開求人もあります。
転職エージェントを利用すれば、その非公開求人を紹介してもらえる可能性があり、たとえば「大手企業の新規事業に関われる限定求人」に出会えることもあります。この点は、転職エージェントならではのメリットといえるでしょう。
デメリット
転職エージェントを利用するデメリットには、主に以下の2つが挙げられます。
一部の求人情報しか提供されない
転職エージェントは、契約している企業の求人情報しか提供できません。そのため、自分が希望する企業や業界の求人情報がない場合があります。
自己主張が必要になる
転職エージェントはあくまで代理人です。転職を成功させるにはエージェントに任せすぎず、自分の希望や条件を明確に伝え、自分自身の判断で最終的な決定をすることが重要です。
転職サイトを利用するメリット・デメリット
続いて、転職サイトを利用するメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
転職サイトを利用するメリットには、主に以下の3つが挙げられます。
自分に合った求人を探しやすい
転職サイトは、いわば多くの企業からの求人情報を集約しているWebサイトです。そのため、希望する業界や職種、地域、年収などを問わず、自らの条件に合った求人を探しやすいといえます。
マイペースに転職活動を進められる
転職サイトの利用は、基本的に「自ら情報を得て、自ら求人に応募する」というスタイルです。そのため自分の都合に合わせて、時間をかけて求人を探すことができます。
また、転職活動を秘密にしたい場合も自分のプライバシーを保ちながら求人を探すことが可能です。
転職活動に役立つ情報・サービスがある
多くの転職サイトには、各企業の詳細な情報のほか、業界の動向、転職を成功させるためのヒントなど、求職者にとってうれしい情報が掲載されています。中には、性格診断をはじめとする便利なサービスを提供している転職サイトもあり、これらは転職活動に大いに役立つでしょう。
デメリット
転職サイトを利用するデメリットには、主に以下の3つが挙げられます。
自分に合った求人情報を選びづらい
上述のとおり、転職サイトには多くの求人情報が掲載されています。これはメリットである一方で、何を基準に選ぶべきか迷ってしまう原因にもなり得ます。また、転職サイトによってはその仕様から、各企業の情報の比較が難しいこともあります。
スパムメールが届く可能性がある
転職サイトに登録すると求人情報のメールが頻繁に届くことがあり、人によってはこれを不快に感じることもあるでしょう。
一部の求人情報しか確認できない
転職サイトには多くの求人情報がありますが、すべての企業が転職サイトに求人情報を掲載しているわけではありません。確認できる求人情報は一部であることを理解する必要があります。
なお、非公開求人に興味がある場合は、転職サイトではなく転職エージェントの利用を検討するとよいでしょう。
直接応募のメリット・デメリット
続いて、直接応募のメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
直接応募のメリットには、主に以下の2つが挙げられます。
企業と直接コミュニケーションを取れる
気になる企業に直接応募する場合、もちろん企業と自分の間に仲介者はいません。そのため、企業と直接コミュニケーションが取れ、自らの意志も自分の言葉で届けることができます。
また、直接的なコミュニケーションが可能になることで、企業の印象もリアルタイムで掴めるようになります。
積極性をアピールできる
自ら企業をリサーチし直接応募する、という意欲や積極性をアピールすることも可能です。転職を成功させる上でこうしたアピールは有利に働きます。
デメリット
直接応募のデメリットには、主に以下の3つが挙げられます。
情報収集の手間がかかる
企業に直接応募する場合、自ら企業の情報を調査し、求人情報を探さなければなりません。そのため、応募するまでに時間と労力がかかります。
交渉力が必要になる
自分と企業との間に仲介人がいないことは、コミュニケーションを取る上でメリットになりますが、その一方で交渉力が求められます。具体的には、給与や勤務時間、福利厚生などの交渉を自ら行わなければならないため、適切な話し方・伝え方を身につけておかなければなりません。
非公開求人に出会えない
直接応募の場合、企業が自社のホームページや求人サイトで公開している情報しか得られません。非公開求人に出会うことはできないため、その点はデメリットといえるでしょう。
人脈・ネットワーキングを活用するメリット・デメリット
続いて、人脈・ネットワーキングを活用するメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
人脈・ネットワーキングを活用するメリットには、主に以下の3つが挙げられます。
信頼性の高い情報を得られる
自分のことを理解している人からの紹介や情報は、一般的に信頼性が高いといえます。自分のスキルや経歴、希望を踏まえて求人情報を紹介してくれるケースもあるため、効率よく自分に合った転職先を見つけられるでしょう。
非公開求人に出会える可能性がある
知り合いやビジネスパートナーを通じて得る情報には、一般には公開されていない、あるいはまだ公開されていない情報が含まれていることもあります。そのため、場合によっては非公開求人に出会える可能性もあるでしょう。
自らの信頼性が高まりやすい
一般的に、自己紹介よりも第三者からの紹介のほうが信頼性は高まります。また、紹介者の企業内での信頼性が高ければ、自らの評価にもプラスに作用するでしょう。
デメリット
人脈・ネットワーキングを活用するデメリットには、主に以下の3つが挙げられます。
求めている求人情報を得られない場合がある
自分の人脈は限られています。そのため、もし希望する業界や職種の人脈がない場合は、求めている求人情報を得ることは難しいでしょう。
転職の意思が広まる可能性がある
自分の知り合いやビジネスパートナーが、今いる会社の別の社員とつながっている可能性はゼロではありません。そのため、既存の人脈を使って転職活動を行うと、自らの転職意思が広く知られてしまう可能性があります。もし今いる会社に転職活動を秘密にしたい場合は、トラブルに発展する可能性も考えられるので注意が必要です。
人間関係に影響が及ぶ可能性がある
人脈を通じて得た仕事では、紹介者との関係が複雑になることも珍しくありません。たとえば、紹介者よりも待遇がよくなり、気まずくなってしまうケースなどがあります。
仕事上の問題がプライベートにまで影響を及ぼす可能性もあり、その点はデメリットといえます。
スカウトを待つことのメリット・デメリット
続いて、スカウトを待つことのメリット・デメリットをご紹介します。
メリット
スカウトを待つことのメリットには、主に以下の3つが挙げられます。
自己肯定感が高まる
企業から直接スカウトが来ることは、いわば自らのスキルや経験が評価されている証拠です。自分に自信が持てるようになるため、自己肯定感がグッと高まるでしょう。
また、スカウトを受けた事実は、のちにほかの企業の求人へ応募する際、自らの価値をアピールする際の材料にもなります。自らの印象をプラスへと持っていきやすくなるでしょう。
自己PRにつなげられる
スカウトメールは企業からの最初の接触であると同時に、自分にとっては自己PRの機会でもあります。自らのスキルや経験、目標などを伝えることで、面接への道が開くこともあります。
転職活動にかかる手間が少ない
スカウトを待つ場合、自分から積極的に求人情報を探したり応募したりする必要がほとんどありません。そのため、転職活動にかかる手間を大きく省けます。
デメリット
スカウトを待つことのデメリットには、主に以下の3つが挙げられます。
転職活動が進まない可能性がある
スカウトを待つ場合、基本的には企業からのアクションを待つことになります。そのため、なかなかスカウトが来なければ転職活動が進まない可能性があります。
選択肢が限定的になる
スカウトを通じて知り得る求人情報は、自分で探す場合に比べて限定的です。選択肢がゼロに等しく、その点はデメリットといえるでしょう。
スカウトの内容が必ずしもマッチするとは限らない
企業からのスカウトはあくまで「企業のニーズに基づいたアクション」であり、必ずしも自らのキャリア目標や希望条件と一致するとは限りません。そのため、スカウトを受けたからといって転職が成功するとは言い切れません。
まとめ
転職手法にはさまざまな種類があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、転職する際は「自分に合った転職手法はどれか」をよく考えて選択することが大切です。
転職は「目標を叶えるためのひとつの手段」であり、転職手法は「その手段を実行するための手法」です。転職することが目的になってしまうと、自分がどのような目標を掲げており、その上でどう進むべきかが見えづらくなってしまいます。そのため、転職と転職手法、それぞれの役割を正しく認識した上で転職活動に取り組むようにしましょう。
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