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Kubernetesとは

投稿日: 2024/06/28

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アプリケーションを管理する際に便利なプラットフォームとして注目を集めている「Kubernetes(クバネティス)」。しかし、アプリケーション開発に携わっている方、もしくはこれから携わろうとしている方の中には、Kubernetesがどのようなものなのかわからない方もいるでしょう。

そこで今回は、Kubernetesの概要やメリット、不必要なケース、デメリットについてご紹介します。あわせて、Kubernetesでできることも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

Kubernetes(クバネティス)とは?

Kubernetes(クバネティス)は、オープンソースのコンテナオーケストレーションプラットフォームです。Googleによって開発され、現在はCloud Native Computing Foundation(CNCF)が管理しています。

Kubernetesは、コンテナ化されたアプリケーションのデプロイ、自動化、スケーリング、および管理を簡素化するために使用されます。

Kubernetes(クバネティス)のメリット

Kubernetesとは

Kubernetesには、多くのメリットがあります。これらのメリットは、とくに大規模で複雑なアプリケーションの運用・管理において非常に有用です。

1.自動化されたデプロイとスケーリング

Kubernetesは、アプリケーションのデプロイやスケーリングを自動化します。これにより手動での管理が不要になり、リソースの効率的な利用が可能となります。

Kubernetesとは

2.自己修復機能

Kubernetesは自己修復機能を備えています。もしコンテナがダウンしたり、操作ミスで削除してしまったりしたとしても自動回復が可能なため、システムの安定性を高めることができます。

Kubernetesとは

3.一貫性のある環境

コンテナ技術に基づいているため、開発環境や本番環境、テスト環境で一貫した動作を保証します。

Kubernetesとは

4.効率的なリソース利用

Kubernetesはリソースを効率的に利用するため、過剰なリソース消費を防ぐことができます。

Kubernetesとは

5.ロールアウトとロールバック

アプリケーションの更新を段階的に行い、問題が発生した場合には簡単に元のバージョンに戻すことができます。

Kubernetesとは

6.セキュリティとコンフィグ管理

Kubernetesは機密情報や設定情報の管理を簡単にし、安全性を高めます。

Kubernetesとは

7.拡張性

Kubernetesは非常に拡張性が高く、多様なプラグインや拡張機能を備えています。

Kubernetesとは

8.オープンソースとコミュニティサポート

Kubernetesはオープンソースプロジェクトであり、広範なコミュニティによってサポートされています。

Kubernetesとは

これらのメリットにより、Kubernetesは現代のクラウドネイティブアプリケーションの管理において強力なツールとなっています。

Kubernetes(クバネティス)が不必要なケースやデメリット

Kubernetesは非常に強力なツールですが、すべての状況において最適な選択肢とは限りません。以下は、Kubernetesが不必要なケースやデメリットについて説明します。

Kubernetes(クバネティス)が不必要な場合

Kubernetes(クバネティス)が不必要なケースは以下のとおりです。

1.小規模なプロジェクト

Kubernetesは大規模で複雑なアプリケーションに適しています。小規模なプロジェクトや単純なアプリケーションでは、設定や管理のオーバーヘッドが過剰になる可能性があります。

2.単純なワークロード

単一のコンテナまたは少数のサービスを実行するだけの単純なワークロードの場合、Kubernetesは過剰なソリューションとなることがあります。このようなケースには、Docker Composeやそのほかの軽量なオーケストレーションツールが適しているかもしれません。

3.短期間のプロジェクト

短期間のプロジェクトやプロトタイプには、Kubernetesのセットアップと運用の学習コストが高くつくことがあります。短期的な利益を考えると、簡単なツールや手動管理が効率的です。

4.単一のホスト

Kubernetesはマルチノードクラスタの管理に優れていますが、単一のホストで運用する場合、その利点は大幅に減少します。単一のホストに関しては、DockerやPodmanなどの単純なコンテナランタイムで十分でしょう。

Kubernetes(クバネティス)のデメリット

Kubernetes(クバネティス)のデメリットには、以下の6つがあります。

1.学習曲線

Kubernetesは強力で柔軟ですが、その分学習曲線が急です。設定や運用に必要な知識が多く、初心者にとっては難易度が高い場合があります。

2.複雑性

Kubernetesのインフラストラクチャは非常に複雑であり、適切に設定・管理するには多くの時間と労力が必要です。とくに初めて導入する場合、この複雑性が障壁となることがあります。

3.リソース消費

Kubernetes自体が多くのリソースを消費します。マスターコンポーネント(APIサーバー、etcd、コントローラーマネージャー、スケジューラー)やノードエージェント(kubelet、kube-proxy)が動作するため、一定の計算リソースが必要です。

4.運用コスト

Kubernetesクラスタの運用・保守には時間と労力がかかります。とくに、高可用性やスケーラビリティを確保するためには、継続的な監視とメンテナンスが必要です。

5.デバッグとトラブルシューティングの難しさ

Kubernetesの分散アーキテクチャは、問題のデバッグやトラブルシューティングを難しくすることがあります。ポッド、サービス、ネットワーキング、ストレージなど、多くの要素が絡み合うため、問題の特定に時間がかかる場合があります。

6.依存関係の管理

Kubernetesクラスタをセットアップするためには、さまざまなツールやソフトウェア(例:コンテナランタイム、ネットワークプラグイン、ストレージソリューションなど)に依存しなければなりません。これらの依存関係を適切に管理するのは容易ではないでしょう。

Kubernetes(クバネティス)で何ができる?

Kubernetesとは

Kubernetesは、コンテナ化されたアプリケーションのデプロイメントや自動化、スケーリング、運用を管理するための強力なオープンソースプラットフォームです。以下は、Kubernetesでできる主なことの一覧です。

1.コンテナオーケストレーション

まず挙げられるのは「コンテナのデプロイ」です。アプリケーションのコンテナをクラスター上にデプロイして実行します。
また「*コンテナの管理」も可能で、具体的にはコンテナのライフサイクル(起動、停止、再起動)を管理します。

2.自動スケーリング

Kubernetesでは、負荷に応じてポッド(コンテナの実行単位)の数を自動的に増減させる「水平スケーリング」もできます。また、リソース要求に基づいて、コンテナに割り当てるCPUやメモリを動的に調整する「垂直スケーリング」も可能です。

3.自己修復

繰り返しになりますが、Kubernetesは自己修復機能を備えています。そのため、障害が発生したポッドを自動的に再起動してくれるほか、ノードの状態を監視し異常が発生した場合には迅速に対応することが可能です。

4.ローリングアップデートとロールバック

Kubernetesを利用した場合、アプリケーションの新バージョンを段階的にデプロイし、ダウンタイムを最小化する「ローリングアップデート」ができます。また、問題が発生した場合に、前のバージョンに迅速に戻すことができる「ロールバック」も行えます。

5.サービスディスカバリとロードバランシング

サービスディスカバリとは、クラスタ内のポッド間で自動的に通信ができるようにすることです。ロードバランシングとは、トラフィックを複数のポッドに分散させ、負荷を均等にすることを指します。Kubernetesを利用した場合、これらもできるようになります。

6.ストレージオーケストレーション

Kubernetesでは、アプリケーションが使用する永続ストレージを管理することが可能です。また、異なるタイプのストレージ(高速SSD、通常のHDDなど)を定義して、ポッドに割り当てることもできます。

7.構成管理とシークレット管理

Kubernetesを利用した場合、アプリケーションの設定情報を管理し、コンテナに提供することが可能です。また、パスワード、トークン、SSHキーなどの機密情報を安全に管理することもできます。

8.マルチクラスタ管理

Kubernetesは、複数のKubernetesクラスタを一元管理し、グローバルなポリシー適用やリソースの分散配置を実現します。

9.ネットワークポリシー

Kubernetesでは「ネットワーク制御」も可能で、ポッド間の通信を制御しセキュリティを強化します。ネットワークポリシーを定義して、特定のポッド間の通信を許可または禁止することもできます。

10.モニタリングとログ管理

Kubernetesは、ポッドやノードのリソース使用状況をモニタリングします。また、アプリケーションのログを収集し、分析できる環境を整えます。

11.カスタムリソース定義(CRD)とオペレーター

Kubernetesは独自のリソースタイプを作成し、機能を拡張します。また、複雑なアプリケーションのライフサイクルを自動化するためのカスタムコントローラーも作成します。

12.高可用性と耐障害性

Kubernetesは、ポッドを複数のノードに分散して配置し、障害時の影響を最小限に抑えます。また、もしノードが故障した場合に自動的にほかのノードにリソースを再配置します。

これらの機能により、Kubernetesはスケーラブルで信頼性の高いアプリケーションの運用を実現し、複雑なマイクロサービスアーキテクチャの管理を容易にします。

まとめ

Kubernetesは、とくに大規模で複雑なコンテナ化されたアプリケーションの管理において強力なツールです。その柔軟性、拡張性、そして自動化機能から、多くの企業が迅速かつ効率的にアプリケーションを運用するために採用しています。そのため、転職を機にアプリケーションの管理に携わる場合は、Kubernetesに関する知識や技術を備えておくと安心です。

Kubernetesには、学習曲線が急でインフラストラクチャは非常に複雑という側面もあります。そのため、もしKubernetesの導入を検討しているのであれば、デメリットも考慮し具体的なニーズやプロジェクトの規模に応じて適切に導入することが重要です。

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