「Sler」と「ITコンサル」にどのような違いがあるのか、具体的にご存じの方は少ないのではないでしょうか。

今回は、SlerとITコンサルの違いを「言葉の意味」「業務の目的・内容」「求められるスキル」「収入面」「キャリアパス」の5つのカテゴリに分けて解説します。ぜひ参考にしてみてください。

SlerとITコンサルの違い：言葉の意味

まずは、SlerとITコンサルにおける「言葉の意味」の違いからご紹介します。

Slerとは？

SIer（System Integrator：システムインテグレーター）とは、企業や組織に対して情報システムの設計や開発、運用、保守を提供する企業または団体を指します。
SIerは、クライアントのビジネスニーズに応じて適切なソリューションを提供し、システムの導入から運用、管理までをサポートします。

ITコンサルとは？

ITコンサル（ITコンサルタント）とは、企業や組織が情報技術（IT）を効果的に活用するための支援を行う専門家または企業を指します。
ITコンサルタントは、クライアントのビジネス目標を達成するために、IT戦略の策定からシステム導入、運用、改善までを支援します。

SlerとITコンサルの違い：業務の目的・内容

次に、SlerとITコンサルにおける「業務の目的・内容」の違いをご紹介します。

SIerの目的

SIer（システムインテグレーター）の目的は、クライアント企業のビジネスプロセスを最適化・効率化するために、情報システムの設計や開発、導入、運用、保守を提供することです。
目的を達成するために、SIerは技術的な専門知識とビジネス理解を持ち、クライアントとの緊密な連携を通じて最適なソリューションを提供します。

ITコンサルの目的

ITコンサルの目的は、企業や組織が情報技術（IT）を活用してビジネス目標を達成することを支援することです。
ITコンサルは、クライアントのビジネスニーズを理解し、最適なITソリューションを提供することで、企業の成長と競争力向上に寄与します。

SIerの業務内容

SIer（システムインテグレーター）の業務内容は多岐にわたりますが、基本的にはシステムの要件定義から基本設計・詳細設計、開発、テスト、運用・保守などを行います。

ITコンサルの業務内容

ITコンサルタントは、主に市場調査や経営課題の洗い出し、課題解決に関する提言や提案などを行います。

SIerの主な職種

SIer（システムインテグレーター）の職種は、情報システムの設計や開発、導入、運用、保守を担当するさまざまな専門家で構成されます。

ITコンサルの主な職種

ITコンサルタントの職種は、クライアントのビジネス目標を達成するためにITを効果的に活用するための戦略策定、システム導入、運用改善などを担当するさまざまな専門家で構成されます。

SlerとITコンサルの違い：求められるスキル

次に、SlerとITコンサルにおける「求められるスキル」の違いをご紹介します。

SIerに求められるスキル

SIerではプログラミング言語やデータベースはもちろん、ネットワークやセキュリティなどのスキルのほか、継続的に学習する能力やテクノロジーをキャッチアップする能力などが求められます。

ITコンサルに求められるスキル

ITコンサルタントに求められるのは、技術的なスキルよりも経営全般・クライアントの業界に関する知識や、クライアントとのコミュニケーション能力などです。

SlerとITコンサルの違い：収入面

次に、SlerとITコンサルにおける「収入面」の違いです。

SIer（システムインテグレーター）とITコンサルの年収は、業界や企業規模、経験年数、地域などによって大きく異なりますが、一般的にITコンサルのほうがSIerよりも年収が高い傾向があります。
この点から、SIerの次のキャリアアップとして、ITコンサルを目指す人は少なくありません。

SlerとITコンサルの違い：キャリアパス

最後に、SlerとITコンサルにおける「キャリアパス」の違いをご紹介します。

SIerからのキャリアパス

SIerからのキャリアパスには、たとえば「ITエンジニアとしてのスキルセットを高める」「さらなる上流工程を担当する職種にキャリアアップする」などが挙げられます。
たとえば、SIerにはたくさんのプロジェクトがあります。これらのプロジェクトの品質や価格、納期を管理する「プロジェクトマネジャー」へのキャリアアップがその一例です。

ITコンサルからのキャリアパス

ITコンサルのキャリアパスには、「マネージャー職へのステップアップ」「事業会社や大手外資系企業への転職」「経営や戦略コンサルタントを目指す」などが挙げられます。このほか、起業や独立といった道もあり、その選択肢はSIerよりも多いといわれています。

SIerからITコンサルへの転職のすすめ

SIerからITコンサルへの転職は、技術的スキルと業務知識の融合、デジタルトランスフォーメーションの推進、クライアントの信頼、人材不足、キャリアアップの機会、報酬の向上、多様なプロジェクト経験など、多くの理由でニーズが高まっています。
SIerとしての経験はITコンサルとしてのキャリアに大いに役立つため、この転職は多くのメリットがあります。

まとめ

SIerとITコンサルは、似て非なるものです。それぞれで特徴はもちろん、業務内容や求められるスキル、収入、キャリアパスなど、多くの項目が異なるため、違いを理解したうえで自分にどちらが向いているかを判断することが大切です。
ただし、SIerとしての経験はITコンサルとしてのキャリアに役立ちます。そのため、ITコンサルを目指す場合は先にSIerとして経験を積むのも選択肢のひとつといえるでしょう。

さまざまなパターンを検討し、自分に合ったキャリアプランを描いてみてください。

私どもTechClipsエージェントは、 ITエンジニアやITコンサルタントを目指す皆さまのキャリアプランの相談をはじめとした、 無料の転職支援サービスです。人生の目標やキャリアの方向性を整理し、一緒に考えていく作業に多くの時間を割いています。もしひとりで自分自身のキャリアや転職活動の進め方に悩んでいるのであれば、この機会にぜひご相談ください。

簡単60秒

無料 転職支援サービス申し込み