エンジニアリングの基礎である「コーディング」は、ソフトウェア開発やデータベース管理、さらにはAIや機械学習といった高度な分野に進むための土台となります。そのため、キャリアアップのため転職を検討しているのであれば、コーディングの知識・スキルを身につけておくのがおすすめです。
そこで今回は、コーディングの概要から必要なスキル、押さえておきたいコーディングルールまで解説します。また、コーディングの学習方法もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
コーディングとは?
コーディングとは、コンピュータプログラムを作成するためにプログラミング言語を使用してソースコードを書くことです。ソフトウェア開発の基本的なプロセスの一部であり、プログラムの動作を具体的に指示するために必要なスキルです。
コーディングの際に使用する言語には、たとえば「JavaScript」や「HTML」「CSS」などがあります。
コーディングとプログラミングの違い
コーディングとプログラミングは密接に関連していますが、微妙な違いがあります。
コーディングは、プログラムのソースコードを実際に書くプロセスを指します。具体的には、プログラミング言語を使用してアルゴリズムやロジックを実装します。
一方でプログラミングは、ソフトウェア開発の全体的なプロセスを指します。これには、問題の分析やアルゴリズムの設計、コーディング、デバッグ、テスト、保守なども含まれます。
つまり、コーディングはプログラミングの一部分であり、プログラミングはより包括的なプロセスを指します。
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コーディングに必要なスキル
コーディングを行うためには、以下のスキルが必要です。
コーディングルールとは
コーディングルールとは、プログラミングチームやプロジェクトで一貫性と品質を保つために設定されるガイドラインや規約のことです。以下で、一般的なコーディングルールの例をご紹介します。
1.命名規則
変数名、関数名、クラス名などの命名に一貫性を持たせるためのルールです。変数名の先頭には小文字、クラス名の先頭には大文字がよく使われます。
例:キャメルケース(camelCase)、スネークケース(snake_case)、パスカルケース(PascalCase) など
2.インデントとフォーマット
コードの読みやすさを向上させるためのルールです。
例:スペースの数(半角スペース2文字分でインデントする など)、タブとスペースの使用について など
3.コメント
コードの理解を助けるために、適切な場所にコメントを入れるルールです。
例:関数の説明、重要なロジックの説明、TODOコメント など
4.コードの長さ
1行あたりの文字数やファイルのサイズに関するルールです。
例:1行は80文字以内、1ファイルは300行以内 など
5.エラーハンドリング
エラーや例外の処理方法に関するルールです。
例:例外をキャッチして適切に処理する、エラーメッセージをログに残す など
6.コードレビュー
ほかの開発者によるコードのレビューを必須とするルールです。
例:プルリクエストの承認プロセス、レビューのチェックリスト など
7.テスト
単体テストや統合テストの作成に関するルールです。
例:各関数に対する単体テストを作成する、テストカバレッジの目標を設定する など
8.ドキュメント
コードに関連するドキュメント作成についてのルールです。
例:APIドキュメント、設計書、使用方法のガイド など
9.使用禁止の構文や関数
バグの原因になりやすい構文や関数の使用を避けるためのルールです。一律に禁止するのではなく、ケースごとの例外も設けておきましょう。
例:グローバル変数の使用禁止、特定の非推奨関数の使用禁止 など
10.セキュリティ
コードの安全性を保つためのルールです。
例:入力値のバリデーション、SQLインジェクション対策、ハードコーディングされたパスワードの禁止 など
これらのルールを遵守することでコードの品質が向上し、チーム全体での開発がスムーズに進むようになります。
コーディングの学習方法
コーディングの学習方法は多岐にわたり、中でもとくにおすすめなのは以下の7つです。
1.オンライン学習プラットフォームを利用する
Codecademy、Udemy、Coursera、ドットインストールなどのオンライン学習プラットフォームには、初心者向けから上級者向けまで幅広いコースが用意されています。そのため、自分に合った内容で効率よくコーディングについて学習することが可能です。
とくにインタラクティブな学習環境があるプラットフォームは、実際にコードを書きながら学ぶのに役立ちます。
2.プロジェクトベースの学習
実際にアプリケーションやWebサイトを作成するなど、具体的なプロジェクトを通じて学ぶと実践的なスキルが身につきます。学習中に自分で小さなプロジェクトを立ち上げるのもおすすめです。
3.オープンソースプロジェクトに参加
GitHubなどで公開されているオープンソースプロジェクトに参加することで、実際のプロジェクト開発に関与しながら、実践的にコーディングを学ぶことができます。
また、ほかの開発者と交流する機会も得られるため、どのように学習しているのかを聞いて参考にすることも可能です。
4.ペアプログラミング
誰かと一緒にコードを書くことで、異なる視点や考え方を学び、コーディングのスキルを向上させることができます。また、問題解決能力の向上も期待できるでしょう。
5.定期的な練習
LeetCode、HackerRank、Codewarsなどのプラットフォームで、アルゴリズムやデータ構造の問題を定期的に解くことで、コーディングのスキルを強化できます。毎日少しずつでも練習を続けましょう。
6.書籍を利用する
コーディングの基本を固めたい場合は、初心者向けのプログラミング書籍を読むことも効果的です。たとえば、『入門Python3』や『JavaScript本格入門』などの書籍は、各言語の基本を丁寧に解説しているため、スムーズに理解を深められるでしょう。
7.コミュニティに参加する
プログラミング関連のフォーラムやSNS、ミートアップに参加することで、ほかの学習者や経験者との交流を通じて学ぶことができます。とくにStack OverflowやReddit、Discordのプログラミングサーバーなどが人気です。
これらの方法を組み合わせ、自分に合った学習スタイルを見つけることが、コーディングを効率的に学ぶための鍵です。
まとめ
コーディングは、IT業界で、またはエンジニアとしてキャリアを築くための重要なステップです。また、コーディングはエンジニアリングの基礎であり、ソフトウェア開発やデータベース管理、システム設計、さらにはAIや機械学習といった高度な分野に進むための土台となります。
最初にコーディングを学ぶことで、論理的思考や問題解決能力が身につき、技術的な基盤を確立することができます。そして、そこから特定の分野に専門性を持たせるために必要なスキルや知識をさらに深めていくことが可能です。
転職を機に「IT業界で活躍したい」「エンジニアとしてさまざまな開発に携わりたい」という場合は、コーディングの知識・スキルを習得することから始めてみてはいかがでしょうか?
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