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投稿日: 2024/11/29

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インターネットの普及、それに伴うインターネットユーザーの増加により、デジタル広告の配信・分析に関わる技術を包括する「AdTech(アドテック)」に注目が集まっています。

そこで今回は、AdTechの概要や種類、注目されている背景について解説します。あわせて、AdTech領域で活躍する人材もご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

AdTech(アドテック)とは?

AdTechとは、「広告(advertisement)+技術(technology)=アドテクノロジー(advertisement technology)」の略称で、デジタル広告を管理・配信・最適化・計測・分析するためのテクノロジーを指します。
広告主や広告代理店、パブリッシャー、広告配信プラットフォームなど、広告業界のさまざまなステークホルダーが、ターゲットに合わせた効果的な広告を配信するために使用する技術やツール群を包括しているのが特徴です。

AdTech(アドテック)の種類

AdTechにはさまざまな技術やツールがあり、それぞれが広告業界での広告配信・ターゲティング・分析・効果測定などをサポートしています。

1.DSP(Demand-Side Platform)

DSPは広告主が広告在庫を購入するプラットフォームで、リアルタイムで広告の入札が行えます。
広告主はDSPを通じて、ターゲットオーディエンスに対して最適な広告を配信できます。これにより、自動化されたプロセスを通じて複数の広告ネットワークや取引所から広告スペースを購入することが可能です。

例:Google DV360(旧DoubleClick Bid Manager)、The Trade Desk

2.SSP(Supply-Side Platform)

SSPは、パブリッシャー(メディアサイトなど)が広告スペースを管理し販売するためのプラットフォームです。パブリッシャーが広告在庫を複数のDSPに売却するための仕組みを提供し、最大の収益を得るために広告の最適化を行います。

例:Google Ad Manager、PubMatic、Rubicon Project

3.DMP(Data Management Platform)

DMPは、ユーザーデータを収集・管理・分析するためのプラットフォームです。ファーストパーティデータ(自社の顧客データ)、セカンドパーティデータ(他社とのデータ共有)、サードパーティデータ(外部データソース)を統合し、ターゲティングやパーソナライズを実現します。これにより、広告主は広告配信を最適化し、ターゲット層に対して効果的にアプローチできます。

例:Adobe Audience Manager、Oracle BlueKai、Lotame

4.アドネットワーク(Ad Network)

アドネットワークは、広告主とパブリッシャーをつなげるための仲介サービスを提供します。広告主はアドネットワークを通じて、複数のパブリッシャーの広告スペースを一括で購入できます。
このほか、アドネットワークは特定のターゲットオーディエンスに対して広告を配信するためのキャンペーン管理も行います。

例:Google AdSense、Taboola、Outbrain

5.アドエクスチェンジ(Ad Exchange)

アドエクスチェンジは、広告在庫の自動取引を可能にするマーケットプレイスです。具体的には、広告主(DSP)とパブリッシャー(SSP)がリアルタイムで広告枠を取引できるようにします。これにより、広告主は効率的に在庫を購入し、パブリッシャーは収益を最大化できます。

例:Google Ad Exchange、OpenX、AppNexus

6.RTB(Real-Time Bidding)

RTBは、オークション形式による広告枠の取引をリアルタイムで行う仕組みです。
広告主は、ユーザーの行動や属性に基づいて広告スペースに入札し、最も適切な広告をリアルタイムで配信します。これにより、ターゲットオーディエンスに対して最適な広告を迅速に配信できます。

例:OpenRTB、Google Display NetworkのRTB

7.プログラマティック広告

プログラマティック広告は、広告の取引と配信を自動化した広告手法です。広告主はプログラムを通じて、リアルタイムで広告在庫を購入し、最適化されたターゲティングを実現できます。

例:Google DV360、The Trade Desk、MediaMath

8.コンテキストターゲティング

コンテキストターゲティングは、ユーザーの行動や属性に依存せず、広告が表示されるコンテンツの文脈に基づいて広告を配信する方法です。たとえば、特定のテーマの記事やコンテンツに関連する広告を表示することで、ユーザーに対して関連性の高い広告を提供できます。

例:動画広告や記事に関連する広告が表示される、コンテキストに基づくターゲティング

9.インフルエンサー・マーケティングプラットフォーム

インフルエンサー・マーケティングプラットフォームは、ブランドとインフルエンサーをつなげ、スポンサーシップ契約や共同キャンペーンを効率的に管理するためのツールです。広告主はターゲットオーディエンスに効果的にリーチするためのインフルエンサーを選定し、コラボレーションを行うことができます。

例:Influencity、Upfluence、AspireIQ

10.ビデオ広告テクノロジー

ビデオ広告テクノロジーは、動画コンテンツに関連する広告配信を管理するためのプラットフォームです。これには、インストリーム広告(動画再生中の広告)やアウトストリーム広告(動画外で表示される広告)など、動画広告を最適化する技術が含まれます。

例:TubeMogul、SpotX、Teads

11.アフィリエイトマーケティング

アフィリエイトマーケティングは、パートナー(アフィリエイト)が広告主の商品やサービスを紹介し、販売が成立した場合に報酬を受け取る仕組みです。
アフィリエイトマーケティングのプラットフォームは、広告主とアフィリエイトとの接点を提供し、報酬の追跡や支払いを管理します。

例:Rakuten Marketing、Amazon Associates、ShareASale

12.ネイティブ広告

ネイティブ広告は、広告がユーザーの体験と自然に統合される形式で配信される広告です。通常、コンテンツの一部として表示され、ユーザーが広告を広告として認識しにくくすることで、広告効果を高めます。

例:Taboola、Outbrain

AdTechには多様なツールやプラットフォームが存在し、それぞれが広告主やパブリッシャーの目的に合わせて広告配信・ターゲティング・データ分析などを支援しています。
これらを効果的に活用することで、広告業界はより効率的で精度の高い広告キャンペーンを実現しています。

AdTech(アドテック)が注目されている主な背景

AdTechが注目されている背景には、デジタル技術の進化と消費者行動の変化が大きく関係しています。

1.デジタルメディアの普及と広告のオンラインシフト

インターネットとスマートフォンの普及によって、人々がオンラインで過ごす時間が大幅に増加しています。この背景から、企業が従来のテレビや新聞などのメディアからオンライン広告に予算を移行する動きが加速しました。
とくにソーシャルメディアや動画配信プラットフォーム、ブログは成長が著しいデジタルメディアであり、これらで広告を配信することでターゲット層にリーチしやすくなりました。

2.ターゲティング技術の進化

AdTechは、膨大なユーザーデータや行動データを活用して、より精度の高いターゲティング広告を実現しています。これにより、広告主は「誰に、どのタイミングで、どのようなメッセージを届けるか」を細かく設定できるようになりました。
とくに、DMPやDSPの導入により、年齢や性別、興味・関心、行動履歴に基づいたパーソナライズ広告が可能になり、広告効果を最大化できます。

3.リアルタイムビッディング(RTB)の普及

RTBの技術により、広告枠の自動入札がリアルタイムで行われ、広告主はコスト効率を高めつつ、最適な広告配信ができるようになりました。これにより、従来の手動での広告枠購入よりも、広告費の使い方が効果的になっています。

4.効果測定とデータドリブンなマーケティングの需要

AdTechでは広告表示回数やクリック率、コンバージョン率などの指標をリアルタイムで計測でき、そのデータをもとに広告戦略を柔軟に調整できます。これにより、広告費の無駄を最小限に抑え、データに基づいたマーケティング戦略が可能となりました。

5.消費者のプライバシー意識の高まりと規制強化

ヨーロッパのGDPR(一般データ保護規則)やカリフォルニアの消費者プライバシー法(CCPA)の施行に伴い、消費者のプライバシー保護が重視されています。この動きに対応するため、クッキーに依存しないターゲティング手法や、ファーストパーティデータの活用がますます注目されています。
AdTechは、このようなプライバシー規制に準拠しつつユーザーに対するパーソナライズ広告の提供を模索することで、信頼性を確保しつつ成長しています。

6.新たな広告フォーマットの台頭

インフルエンサーや動画広告、ネイティブ広告、ソーシャルメディア広告といった新しい広告フォーマットが成長し、AdTechはそれらの広告の配信や管理に対応できる点で注目されています。
とくに、短い動画やインタラクティブな広告はユーザーのエンゲージメントを高めることができ、広告効果の向上につながっています。

7.広告の自動化とAI技術の導入

AdTechの分野にAIや機械学習技術が導入されたことで、広告のパフォーマンスを予測し、最適なターゲティングやクリエイティブを自動化する技術が登場しています。
自動化によって広告運用が効率化され、広告主はキャンペーン管理やターゲット設定の負担を軽減し、広告効果の向上に注力できるようになりました。

AdTechは、デジタル広告が主流となる現代において、広告の最適化や自動化、ターゲティングの精度向上に寄与し、広告主のマーケティング活動を支える重要な技術です。
プライバシーの保護や新しい広告フォーマットへの対応が求められる中で、さらなる技術革新と発展が期待されています。

AdTech(アドテック)領域で活躍する人材

AdTech領域で活躍するIT系人材には、さまざまな専門知識・スキルが必要とされます。以下は、AdTech領域でとくに需要が高いIT系人材の主な職種とスキルです。

1.データサイエンティスト / データアナリスト

データの収集・分析・解析を通じて、ターゲット広告の効果や広告キャンペーンの改善ポイントを明確にします。また、大量のデータからインサイトを抽出し、データドリブンな意思決定を支援します。

<必要なスキル>
・データ分析ツール(Python、Rなど)
・機械学習・統計知識
・ビッグデータ分析(Hadoop、Spark、BigQueryなど)
・広告指標(CTR、CPA、ROASなど)の理解

なお、データサイエンティストについては以下の記事でもご紹介しています。
データサイエンティストとは?需要が高まっている理由から必要なスキルまでご紹介

2.広告テクノロジーエンジニア(AdTechエンジニア)

広告配信システムやターゲティング技術の開発・運用を行います。RTB(リアルタイムビッディング)やDSP、SSPなどのAdTechシステムの構築や最適化が主な仕事です。

<必要なスキル>
・プログラミング(JavaScript、Python、Javaなど)
・RTB、DSP、SSPの知識
・広告配信に関する技術スタック(API設計、サーバーサイドプログラミング)
・クラウドサービス(AWS、GCP)に関する知識

3.デジタルマーケティングスペシャリスト

AdTechを活用して広告キャンペーンを企画・運用し、成果を最大化するための戦略を立案します。また、データをもとにターゲティングやリターゲティングの精度を向上させます。

<必要なスキル>
・マーケティングオートメーションツール(Marketo、HubSpotなど)の利用経験
・Google Analytics、Facebook Ads Managerなどの広告分析ツール
・SEO・SEMの知識
・コンバージョン最適化(CRO)やLPO(ランディングページ最適化)の理解

4.プロダクトマネージャー(広告プロダクト)

AdTech製品の開発・運用を担当し、広告主やパートナー企業と連携して製品の改善を図ります。また、市場やユーザーのニーズを把握し、競争力のある広告プロダクトを設計・開発します。

<必要なスキル>
・プロダクト管理ツール(JIRA、Asana、Trelloなど)
・UX/UIデザインの理解
・マーケットリサーチや競合分析のスキル
・チーム管理とコミュニケーション能力

5.機械学習エンジニア

AIや機械学習を活用した広告ターゲティングやパーソナライゼーション機能の開発を担当します。ユーザーの興味・関心を予測して、最適な広告を提供するためのモデルを設計するのが主な仕事です。

<必要なスキル>
・機械学習のアルゴリズムやフレームワーク(TensorFlow、PyTorch)
・データクレンジングや前処理技術
・データパイプライン(ETL)とデータベースの知識
・AdTechにおけるリアルタイムデータ処理の理解

6.クラウドエンジニア / DevOpsエンジニア

AdTechのシステムを支えるインフラの構築・運用を行い、スケーラビリティやパフォーマンスの向上に役立てます。また、大量の広告リクエストを処理するための信頼性の高いインフラを整えます。

<必要なスキル>
・クラウドサービス(AWS、GCP、Azure)
・コンテナ技術(Docker、Kubernetes)
・CI/CDパイプラインの構築
・セキュリティとデータプライバシーに関する知識

なお、クラウドエンジニアについては以下の記事でもご紹介しています。
クラウドエンジニアになるためには専門知識・スキルが必須!学習・経験を積んで理想の自分へ

7.フロントエンドエンジニア

広告配信やデータ可視化のためのフロントエンド開発を担当し、ユーザーフレンドリーなインターフェースやダッシュボードを提供します。広告がどのように表示されるか、ユーザー体験を向上させるための重要な職種です。

<必要なスキル>
・HTML、CSS、JavaScript(React、Vue.jsなどのフレームワーク)
・UX/UIデザインの理解
・広告のタグ管理やトラッキング技術の知識
・レスポンシブデザインやアクセシビリティの知識

8.セキュリティエンジニア

広告システムのセキュリティ対策や不正広告(Ad Fraud)の防止に貢献します。とくにAdTechでは詐欺的なクリックやインプレッションを防ぐための技術が重要です。

<必要なスキル>
・サイバーセキュリティの知識
・異常検知や分析ツール
・広告詐欺対策(Ad Fraud Detection)技術の理解
・プライバシー規制(GDPR、CCPAなど)への準拠

9.プライバシーコンプライアンススペシャリスト

データプライバシー規制に準拠しながら広告データの活用を最大化する職種です。GDPRやCCPAなどのプライバシー法規制を遵守し、データ保護の観点から広告配信をサポートします。

<必要なスキル>
・データプライバシーとコンプライアンスの知識
・ファーストパーティデータやプライバシーファーストの広告技術
・規制の理解(GDPR、CCPAなど)
・データガバナンスやリスク管理スキル

AdTech領域で活躍するには、データ分析やプライバシー保護に関するスキル、さらにはクラウド技術やAIなどの最新技術への対応力が求められます。
マーケティングとテクノロジーが高度に統合される分野であるため、テクノロジーとマーケティング両方の知識がある人材がますます重要視されるでしょう。

まとめ

AdTech(アドテック)は、インターネット・ソーシャルメディアが当たり前に使われている今、企業のマーケティング活動に欠かせない技術です。DSPやSSP、コンテキストターゲティング、アフィリエイトマーケティングなどさまざまな種類がありますが、そのどれを扱うにしてもテクノロジーとマーケティング両方に長けた人材が求められます。そのため、広告業界への転職を検討している場合は、テクノロジーとマーケティングに関する知識やスキルを高めることが重要です。自分に足りない要素を強化して、広告業界で求められる人材へと成長しましょう。

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