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SportsTech

投稿日: 2024/12/25

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昨今「◯◯Tech」という言葉をよく見聞きするようになりました。
そのひとつに「SportsTech(スポーツテック)」がありますが、これはスポーツとテクノロジーを組み合わせた技術やサービスを指します。

今回は、そんなSportsTechの概要や注目されている背景、3つの領域、現状の課題などについてご紹介します。あわせて、SportsTech領域で活躍する人材もまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。

SportsTech(スポーツテック)とは

SportsTech(スポーツテック)とは、スポーツの分野においてテクノロジーを活用して競技やトレーニング、ファンエクスペリエンス、運営管理などを革新するための技術やサービスを指します。
これはスポーツ(Sports)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた言葉で、競技者から観客、運営者まで、スポーツに関わるすべての側面に影響を及ぼします。

SportsTech(スポーツテック)が注目されている背景

SportsTechが注目される背景には、テクノロジーの進化や社会の変化、スポーツ産業の成長が密接に関係しています。

1.テクノロジーの進化

近年のデジタル技術の進化が、SportsTechの発展を強く後押ししています。

具体的には、アスリートの生体データをリアルタイムで収集できるデバイス(スマートウォッチやフィットネストラッカー)が普及していることや、ビッグデータやAI技術により選手のパフォーマンス解析や戦術の最適化が可能になったことなどが関係しています。
また、臨場感あふれる観戦体験やトレーニングシミュレーションの提供が実現したことも、主な要因といえるでしょう。

2.スポーツ産業の拡大と多様化

スポーツ産業は世界的に成長しており、スポーツビジネスの新しい収益源の開発が求められています。具体的には、従来のスポーツだけでなくeスポーツの人気が拡大したことで、新たなマーケットが形成され、そこでの収益源の開発が必要になっています。
このほか、データを活用したターゲティングやデジタル広告の最適化がスポーツビジネスを変革するという考えから、これらの開発も求められています。さらに、観客動員の促進と効率化を目指し、IoTやキャッシュレスシステムの導入も進んでいます。

3.アスリートのニーズの変化

競技レベルの向上と健康管理が重要視される中、テクノロジーが欠かせない存在になっています。より効率的にパフォーマンスを向上させる手段として、SportsTechが注目されているのです。
この点から、キャリアを長く続けるための怪我予防技術やリハビリ支援ツールのニーズが増加しています。

4.ファン行動の変化

デジタル化とライフスタイルの変化により、観客のスポーツへの関わり方が進化しており、スマホやSNSを活用した観戦体験を求める若い世代が増加しています。とくにパンデミック後は、非接触型のチケット販売やスタジアム体験の需要が拡大しました。
また、データを活用した“個別化されたコンテンツ”の提供が観客満足度を向上させる鍵になっていることから、SportsTechに注目が集まっています。

5.新型コロナウイルス感染症の影響

新型コロナウイルス感染症がスポーツ業界に大きな影響を与え、テクノロジーを活用した対応が求められるようになりました。具体的には、ストリーミングサービスやオンライン観戦プラットフォームの需要が急増したと同時に、アスリートがリモートでトレーニングを行うためのオンラインプラットフォームが注目されています。

6.環境問題への対応

サステナビリティ(持続可能性)が注目される中で、スポーツでも環境負荷の低減が重要視されています。具体的には、エネルギー効率の高い施設やリサイクル技術を活用したスタジアムの運営、チケットやプログラムのデジタル化が求められています。

SportsTechが注目される背景には、テクノロジーの急速な進化やスポーツ産業の成長、社会的なニーズの変化が挙げられます。これらが相まって、SportsTechは単なる技術革新にとどまらず、スポーツの楽しみ方や関わり方を再定義する役割を果たしています。

SportsTech(スポーツテック)の3領域

SportsTech

SportsTechは主に以下の3つの領域で構成されています。
それぞれの領域でテクノロジーを活用しスポーツにおける新しい価値を創出しており、相互に影響し合うことでスポーツ業界全体の発展を支えています。

1.アスリート・パフォーマンス

この領域では、アスリートのパフォーマンス向上や怪我の予防、リハビリテーションに焦点を当てています。テクノロジーを活用して、個々の選手やチームの競技力を最大化します。

主な内容

・ウェアラブルデバイス:心拍数や筋肉の動き、睡眠状態などをトラッキング
・動作解析:バイオメカニクスやモーションキャプチャを用いたフォームや動作の分析
・AIトレーニング:機械学習を活用したパーソナライズされたトレーニングプログラムの提案
・健康管理とリハビリ:怪我予防やリハビリテーションのための技術、例えば電気刺激やリハビリロボット

2.ファンエクスペリエンス

スポーツの観戦体験を革新することに重点を置いた領域です。テクノロジーにより、観客の楽しみ方を多様化し、より没入感のある体験を提供します。

主な内容

・スマートスタジアム:AR/VRを用いた観戦体験、アプリでの座席予約やフード注文
・データビジュアライゼーション:リアルタイムで選手や試合の統計データを表示
・eスポーツとバーチャルスポーツ:従来のスポーツを補完する新しいエンターテイメント形態
・ファンエンゲージメント:SNSやモバイルアプリを使った双方向のコミュニケーション

3.スポーツ運営とビジネス

チーム、リーグ、イベント運営の効率化や収益化に関連する領域です。デジタル技術を駆使して運営の最適化を図ります。

主な内容

・データ分析:チームや選手のパフォーマンスデータを活用した戦略立案
・チケット販売とマーケティング:デジタルプラットフォームによる販売促進
・スポンサーシップの最適化:スポンサー効果をデータで可視化し、最適なマーケティング施策を提案
・クラウドサービス:試合運営、スケジュール管理、ファンデータ管理の効率化

SportsTech(スポーツテック)が抱える課題

SportsTechが抱える課題には、技術的・運営的な問題や社会的要因が含まれます。

1.データの収集・管理に関する課題

まず挙げられるのは「データの膨大化」です。
アスリートのパフォーマンスや健康データ、観客の行動データなど、多岐にわたるデータが蓄積され、適切な収集・管理が必要になります。また、必要なデータを選別し適切に分析する体制の構築も求められるでしょう。

くわえて「プライバシーとセキュリティ」も課題のひとつです。
データにはアスリートや観客の個人情報が含まれるため、漏洩や不正アクセスのリスクに備えなければなりません。また、GDPR(一般データ保護規則)などの法規制に対応したデータ管理が求められます。

2.技術導入のコストとリソース不足

「導入コストの高さ」もSportsTechが抱える課題として挙げられます。
最新のテクノロジー(AI、ウェアラブル、AR/VRなど)は高価であり、中小規模のスポーツチームや団体にとっては大きな負担となるでしょう。また、スタジアムのスマート化や新技術の導入にも大規模な投資が必要になるため、その点は課題になり得ます。

このほか、課題には「技術的人材の不足」も挙げられます。
データサイエンティストやAIエンジニアなど、高度なスキルを持つ人材が不足しており、確保するのは極めて困難です。この背景から、スポーツ団体におけるITリテラシーの向上が求められますが、多大な労力・時間が必要になるため、この点も課題となるでしょう。

3.ファンエンゲージメントの課題

ファンエンゲージメントの課題としては「技術活用と観客体験のバランス」が挙げられます。
デジタル化により観客体験が便利になる一方で、従来のスポーツ観戦の醍醐味が失われるリスクがあります。また、スタジアム来場者とオンライン観戦者の体験の格差を埋める仕組みが求められるでしょう。

くわえて「ファン層の多様化への対応」も課題のひとつです。
高齢層やデジタルリテラシーが低い層に対して、デジタル技術をどのように提供するか考える必要があります。また、「eスポーツファンや若年層のファン」と「伝統的なスポーツファン」、それぞれに向けたマーケティング戦略の調整が必要になるでしょう。

4.アスリートの負担増加

SportsTechが抱える課題には「技術によるプレッシャー」もあります。
たとえば、パフォーマンスデータが公開されることで、選手が過度なプレッシャーを感じる可能性はゼロではありません。また、トレーニングや試合中のデータ計測が負担となる場合もあるでしょう。

このほか「プライバシーの侵害」も課題のひとつとして挙げられます。
データ収集により選手のプライバシーが侵害されるリスクがあるほか、技術導入が選手個々のライフスタイルに悪影響を及ぼす可能性も考えられます。

5.社会的・倫理的な課題

社会的・倫理的な課題として挙げられるのは「技術の公平性」です。
具体的には、資金的に豊かなチームやリーグが最新技術を活用する一方で、小規模なチームは技術を導入できず、競争の公平性が損なわれるリスクが考えられます。また、デジタル技術を利用することでチーム間の格差が拡大する可能性もあるでしょう。

このほか「倫理的懸念」も課題のひとつです。
AIによる意思決定・データ分析の透明性の欠如や、個人データの商業利用についての懸念が挙げられます。

6.技術の継続的なアップデートの必要性

「技術進化への対応」もSportsTechが抱える課題として挙げられます。
テクノロジーの進化は速く、一度導入した技術がすぐに陳腐化する可能性はゼロではありません。また、新技術導入に伴う既存システムのアップデートや教育が必要になるでしょう。

このほか、「スポーツ独自の要件への対応」も課題のひとつです。
スポーツごとに異なるニーズに対応するカスタマイズが求められるほか、一般的な技術をスポーツに適用する際のギャップを埋める作業も必要になるでしょう。

7.環境負荷の増加

最後に挙げられるのは「環境負荷の増加」による課題です。具体的には、新しいテクノロジーの導入がエネルギー消費を増加させる可能性があります。また、スタジアムのスマート化やデバイスの製造過程で環境に負荷がかかる懸念もあるでしょう。

SportsTechはスポーツの可能性を広げる一方で、データ管理やコスト、人材不足、倫理的問題など、さまざまな課題を抱えています。
これらの課題を解決するためには、技術革新だけでなく、スポーツコミュニティ全体での協力や持続可能な戦略が重要です。

SportsTech(スポーツテック)領域で活躍する人材

SportsTech

SportsTech領域で活躍する人材は、スポーツ業界特有のニーズを理解し、技術を活用して課題を解決するスキルを持つ専門家です。以下に必要とされる職種やスキルをご紹介します。

1.データサイエンティスト/データアナリスト

スポーツのパフォーマンス向上や戦術分析、ファンエンゲージメントに欠かせない職種です。

必要なスキル

・データ解析ツールの知識:Python、R、SQL、Tableauなど
・機械学習・AI:ビッグデータを活用した予測モデルの構築
・統計解析:試合データや選手パフォーマンスの評価

活躍例

・アスリートの生体データを解析し、疲労度や怪我のリスクを予測
・試合データを基に勝率を高める戦略を提案

なお、データサイエンティストについては以下の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
データサイエンティストとは?需要が高まっている理由から必要なスキルまでご紹介

2.AIエンジニア

スポーツ業界におけるAIの活用を推進する役割を担います。

必要なスキル

・ディープラーニング:TensorFlowやPyTorchを活用したモデル開発
・画像認識・自然言語処理:動画解析や音声データ解析
・アルゴリズム設計:パフォーマンス向上のための最適化

活躍例

・試合映像をAIで解析し、戦術の改善点を提示
・音声認識技術を用いて実況解説をリアルタイムで自動生成

3.ソフトウェアエンジニア

アプリケーションやプラットフォームの開発を行います。

必要なスキル

・プログラミング:Java、C++、Pythonなど
・モバイルアプリ開発:iOS、Android向けアプリの構築
・クラウド技術:AWS、Azure、Google Cloudの活用

活躍例

・選手やコーチが利用するトレーニング管理アプリを開発
・ファン向けのライブ配信プラットフォームを構築

4.IoTエンジニア

ウェアラブルデバイスやスマートスタジアムのシステム設計を担当します。

必要なスキル

・センサー技術:ハードウェアとソフトウェアの統合
・通信プロトコル:Bluetooth、Wi-Fi、LPWA技術
・デバイス間連携:IoTプラットフォームの構築

活躍例

・アスリートのウェアラブルデバイスを設計し、リアルタイムでデータ収集
・スマートスタジアムで観客の動線を最適化

5.UI/UXデザイナー

観客やアスリートが使いやすいデジタル製品をデザインします。

必要なスキル

・デザインツール:Figma、Adobe XD、Sketch
・ユーザーリサーチ:ファンやアスリートのニーズ分析
・プロトタイプ開発:ユーザーフレンドリーなインターフェース設計

活躍例

・ファンエンゲージメントアプリのインターフェースを最適化
・AR/VRを活用したトレーニングツールのデザイン

6.プロジェクトマネージャー(PM)

技術導入プロジェクトの進行を統括します。

必要なスキル

・プロジェクト管理ツール:Jira、Trello、Asana
・アジャイル開発:スクラムやカンバンを用いた開発管理
・スポーツ業界知識:スポーツ組織や選手のニーズ理解

活躍例

・スポーツクラブでのAI分析導入プロジェクトをリード
・スマートスタジアムの技術導入プロジェクトを管理

なお、プロジェクトマネージャーについては以下の記事で詳しくご紹介しているので、ぜひあわせてチェックしてみてください。
プロジェクトマネージャーとは?主な仕事内容と求められるスキル、キャリアパスの例

7.セキュリティエンジニア

スポーツに関連するデータの保護を担います。

必要なスキル

・ネットワークセキュリティ:防御システムの構築
・データ暗号化技術:機密情報の安全管理
・脆弱性評価:システムやアプリの安全性向上

活躍例

・選手の健康データを含むシステムのセキュリティを強化
・ファンデータを保護するためのプライバシー管理

8.マーケティングアナリスト

デジタルマーケティング戦略を策定し、ファンエンゲージメントを向上させます。

必要なスキル

・デジタルマーケティング:Google Analytics、SNS広告
・ファン行動分析:CRMや顧客データの活用
・コンテンツ戦略:スポーツイベント向けのプロモーション企画

活躍例

・ファン行動データを基にパーソナライズされた広告を配信
・SNSを活用したスポーツブランドの拡大をサポート

SportsTech領域では、技術とスポーツ業界の知識を融合させた多様な人材が求められています。各分野の専門スキルだけでなく、スポーツに対する情熱や業界独自の課題への理解が成功のカギとなります。

まとめ

スポーツの分野にテクノロジーを取り入れて、競技やトレーニング、ファンエクスペリエンス、運営管理などを革新することを「SportsTech(スポーツテック)」といいます。
テクノロジーの進化や社会の変化、スポーツ産業の成長などにより、今SportsTechに注目が集まっていますが、そこには技術的・運営的な問題や課題もあります。この問題や課題を解決しながらSportsTechをより盛り上げるには、スポーツ業界特有のニーズを理解し、さまざまな専門的技術を活用できる人材が必要です。そのため、エンジニアへの転職を検討している方は、ぜひSportsTechにも目を向けて理解を深めておくとよいでしょう。

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