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ユビキタス言語

投稿日: 2025/02/26

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「ユビキタス言語」という言葉を見聞きしたことがあるエンジニアの方は多いでしょう。では、その言葉の概念について詳しくご存じでしょうか?

今回は、ユビキタス言語の基本概念や活用方法、導入事例などについてご紹介します。ユビキタス言語について理解を深めたいエンジニアの方は、ぜひチェックしてみてください。

ユビキタス言語の基本概念

ユビキタス言語(Ubiquitous Language)は、ドメイン駆動設計(DDD)における中心的な概念です。この言語は、開発チームとビジネスチームが共通の理解を持つための手段として、両者が共有する用語や定義に基づいています。
ユビキタス言語を使用することで、開発者とビジネス担当者の間でコミュニケーションのミスを減らし、より効率的にシステム開発を進めることができます。

ユビキタス言語とドメイン駆動設計(DDD)

ドメイン駆動設計(DDD)では、ユビキタス言語が非常に重要な役割を果たします。

ドメイン駆動設計(DDD)は、システムが扱うビジネスドメイン(業務領域)に対して、開発者とビジネスの関係者が同じ言葉を使うことを推奨しています。これにより、要件定義や設計段階での誤解を避け、システムがビジネスニーズをより正確に反映することが可能になります。

なお、ドメイン駆動設計(DDD)については以下の記事でご紹介しています。こちらもあわせてご覧ください。
ドメイン駆動設計(DDD)とは?概念や導入方法、活かせる職種・求められる知識について

ユビキタス言語の活用方法

ユビキタス言語

ユビキタス言語は、システム開発の初期段階から活用されます。以下はその具体的な活用方法です。

ドメインモデルの設計

ユビキタス言語を使用してドメインモデルを設計し、開発とビジネスの両方が理解しやすいモデルを作成します。

コードに反映

ユビキタス言語で定義された用語は、コードの変数名やクラス名にも反映され、ソースコード自体がビジネスの理解を助けるものとなります。

チーム間の共有

開発者とビジネスチームが共通の言語を使うことによって、双方の理解が一致し、開発のスピードや品質が向上します。また、ビジネス要件が明確になり、システムの開発段階での誤解を最小限に抑えることができます。

ユビキタス言語の導入事例

ユビキタス言語

ここでは、代表的なユビキタス言語の導入事例をご紹介します。

1.金融業界:銀行の口座管理システム

ある銀行では、顧客情報や口座管理に関するシステムを開発する際、ユビキタス言語を導入しました。
従来、開発チームとビジネス担当者(例:顧客サービス部門)の間で用語や定義に違いがあり、システム設計や実装で誤解が生じていました。この問題を解決するためにユビキタス言語を導入し、全員が共通の言語を使用することにしました。

業務用語の共通化

「口座」「顧客」「残高」などの基本的な用語が全員で統一され、システムの設計段階で無駄な議論や誤解を減らすことができました。

ドメインモデルの明確化

システム設計時に、業務担当者と開発者が密に連携し、顧客と口座をどのように定義し、関連付けるかを明確にしました。これにより、データベース設計やコードの品質が向上しました。

2.製造業界:製品管理システム  

製造業の大手企業では、製品の在庫管理や出荷プロセスを管理するためのシステム開発でユビキタス言語を導入しました。その目的は、製品の「ロット番号」や「在庫量」、出荷に関する「リードタイム」など、非常に専門的な用語が多く、部門間で頻発していた認識のズレの解消だったそうです。

業務部門と開発部門の連携強化

ユビキタス言語を用いて、製造部門、物流部門、IT部門が共通の用語で話し合うことができました。この結果、システム開発の初期段階でビジネスニーズの理解が深まり、要件定義がスムーズに進みました。

ドメインモデルを反映したシステム設計

ロット番号や製品のバリエーションを定義する際、業務担当者と開発者が詳細に議論しドメインモデルを形成。その後、システム内で使用する用語をコードにも反映させ、システム全体の整合性が保たれました。

3.eコマースサイト:商品推薦システム   

あるeコマースサイトでは、顧客向けにパーソナライズされた商品推薦システムを開発する際にユビキタス言語を導入しました。このシステムは、顧客の行動や購入履歴をもとに商品を推薦するもので、ビジネスチームと開発チームが共通の理解を持つことが求められました。

ビジネス用語の共有

「顧客の行動」「購入履歴」「レコメンドエンジン」など、とくに顧客データに関連する用語を共通化しました。これにより、ビジネス要件をシステムに反映させる際に誤解が減り、精度の高い推薦アルゴリズムを開発することができました。

システムとビジネス戦略の整合性

ユビキタス言語を使用することで、商品推薦システムの開発がビジネス戦略に即したものとなり、ユーザーエクスペリエンスの向上にも貢献しました。

4.ヘルスケア業界:患者管理システム

ある病院では、患者の診療情報を管理するシステムを開発する際にユビキタス言語を導入しました。医師、看護師、ITスタッフがそれぞれ異なる用語を使用し、システム開発において情報の食い違いや誤解が発生していたためです。

医療用語の標準化

「診療履歴」「投薬情報」「症例」など、医療業務で使用される専門用語を全員で統一しました。これにより、システム設計時に医療スタッフと開発者が一致した理解を持ち、スムーズな開発が可能になりました。

システムへの反映

統一された用語は、患者の診療履歴や投薬情報などに関するデータモデルに直接反映され、医療情報の管理が効率化しました。

上記の事例に共通していえることは、ユビキタス言語が業務理解の深化と誤解の削減に寄与し、システム開発の成功に大きく貢献している点です。
ユビキタス言語の導入により、ドメイン駆動設計(DDD)の実践がより効果的になります。とくに、業界特有の専門用語やビジネス用語が統一されることで、開発チームとビジネスチームがスムーズにコミュニケーションを取り、システムの品質や生産性が向上します。

まとめ

ユビキタス言語は、IT業界でのシステム開発を効率化し、ビジネスの要件に即したシステムを作るために不可欠な要素です。ドメイン駆動設計(DDD)の実践において、ユビキタス言語を使いこなすことで、プロジェクトの成功に大きく貢献できます。
そのため、エンジニアとしてユビキタス言語への理解を深めることは、さらなるキャリアアップのためにも重要といえます。ユビキタス言語を活用したプロジェクト経験を積むなどして、より高度な技術を身につけましょう。

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