プログラミングにおける「オブジェクト指向」とは？基本要素や三原則について解説

エンジニアを目指すなら、現代のプログラミングにおいて広く使われている「オブジェクト指向」について理解を深めることが重要です。

そこで今回は、プログラミングにおけるオブジェクト指向の概要をはじめ、オブジェクト指向の代表的なプログラミング言語、オブジェクト指向の基本要素・三原則、メリット・デメリットについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。

プログラミングにおける「オブジェクト指向」とは

オブジェクト指向とは、プログラムの要素を部品として扱う考え方のことです。その部品を組み合わせてひとつのプログラムを作り上げていきます。
オブジェクト指向はソフトウェア開発の重要なパラダイムのひとつであり、現代のプログラミングにおいて広く使用されています。

オブジェクト指向の基本的な概念は、「オブジェクト」という実世界の事象や概念をプログラム上で表現し、それらを操作することです。オブジェクトはデータとそのデータを操作するメソッドをひとつにまとめたものを指します。

プログラミングにおいてオブジェクト指向を採用することでソフトウェア開発の効率が上がり、コードの再利用や保守性が向上します。そのため、企業や開発者の間で非常に重要視されています。

オブジェクト指向の代表的なプログラミング言語

オブジェクト指向は多くのプログラミング言語に組み込まれています。とくに、以下の言語が代表的です。

1.Java

Javaはオブジェクト指向プログラミングの代表的な言語であり、非常に多くのシステムやアプリケーションで使用されています。プラットフォームに依存しないという特徴（Write Once、Run Anywhere）を持っており、企業向けのシステム開発に頻繁に使われます。

2.C++

C++は、C言語を基盤にオブジェクト指向の要素を加えたプログラミング言語です。ゲーム開発やシステム開発において、高いパフォーマンスを要求される場面で利用されています。

3.Python

Pythonは、そのシンプルな文法と強力なライブラリにより、オブジェクト指向の概念を直感的に学べるプログラミング言語です。データ分析やWeb開発、人工知能など、さまざまな分野で利用されています。

4.Ruby

Rubyは純粋なオブジェクト指向言語であり、開発者がコードを書く際に柔軟な思考を促進します。とくにRuby on RailsというWeb開発フレームワークで広く使われています。

オブジェクト指向の基本要素

オブジェクト指向にはいくつかの基本的な要素があり、これらを理解することが重要です。

1.クラス

クラスとはオブジェクトの設計図のことで、主に特徴や機能・動作をまとめています。クラスに定義されたプロパティ（データ）とメソッド（操作）をもとに、実際のオブジェクトが生成されます。
オブジェクト指向を習得するうえでクラスへの理解を深めることは必須です。

2.オブジェクト

オブジェクトとはクラスをもとに作られるインスタンスであり、直訳すると「物」「対象」という意味であることから、プログラミングではデータと処理の集合体を指します。クラスに定義された属性やメソッドを持っているのが特徴です。

3.メソッド

メソッドとは、プログラムの一連の処理をまとめた、オブジェクトが持つ関数のことです。オブジェクトの属性に対する操作や処理を行います。また、後からその一連の処理を簡単に呼び出せるようにしておきます。

4.プロパティ

プロパティとは、オブジェクトの状態を保持するデータのことです。不用意にデータを編集しないように、オブジェクトごとに異なる値を持つことができます。

オブジェクト指向の三原則

オブジェクト指向プログラミングには、以下の三原則があります。この三原則を理解することで、より効果的に活用できます。

1.カプセル化

カプセル化とは、オブジェクトのデータをカプセルに入れて、外部からのアクセスを阻止することです。オブジェクトが持つデータとデータを操作するメソッドをひとつの単位としてまとめることで、データの整合性を保ちます。

2.継承

継承とは、既存のクラスをもとに新しいクラスを作成することです。類似するプログラムを1か所にまとめることでコードの再利用が可能になり、開発の効率が向上します。

3.ポリモーフィズム

ポリモーフィズムとは、異なるオブジェクトが同じメソッドを使って異なる動作をすることを指します。これにより、柔軟で拡張性のあるコードを作成することができます。
なお、ポリモーフィズムを実装する際には「オーバーライド」「オーバーロード」という2つの機能が用いられます。

オブジェクト指向のメリットとデメリット

オブジェクト指向には、メリットとデメリットがあります。

メリット

オブジェクト指向のメリットは以下のとおりです。

デメリット

オブジェクト指向のデメリットは以下のとおりです。

まとめ

プログラミングにおけるオブジェクト指向は、モダンなソフトウェア開発の基盤となっており、その概念を理解し適切に活用することで、より効率的で保守性の高いコードを実現できます。
これからプログラミングを学ぶ方やキャリアアップを目指す方は、オブジェクト指向の基礎をしっかりと押さえておくとよいでしょう。

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