「コンパイラ言語」の特徴や役割、スクリプト言語・インタプリタ言語の違いがわからず、お困りの方もいるのではないでしょうか。
今回は、コンパイラ言語の概要をはじめ、コンパイラ言語の種類、メリット・デメリットについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。
コンパイラ言語とは
コンパイラ言語とは、プログラムを実行する前にソースコードを機械語に翻訳するためのプログラミング言語のことです。翻訳には「コンパイラ」と呼ばれるソフトウェアが使用され、これにより実行可能なバイナリファイル（実行ファイル）が生成されます。CやC++、Rust、Goなどが代表的なコンパイラ言語として知られています。
コンパイルを行うことで、プログラムが直接マシンコードとして実行されるため、パフォーマンスが高くなるという特長があります。
スクリプト言語との違い
スクリプト言語はコードをリアルタイムで解釈・実行する言語であり、代表的な種類にはPythonやJavaScript、Rubyなどがあります。
コンパイラ言語とスクリプト言語の主な違いは以下のとおりです。
インタプリタ言語との違い
インタプリタ言語は、プログラミング言語で書かれたソースコードを1行ずつ機械語に変換しながら実行する言語のことです。ソースコードを逐次解釈しながら実行するため、コンパイルが不要な点が特長です。
コンパイラ言語とインタプリタ言語の主な違いは以下のとおりです。
代表的なコンパイラ言語
代表的なコンパイラ言語には、以下の5つが挙げられます。
1.C言語
代表的なプログラミング言語のなかでも歴史が深く、知名度が高い言語です。システムソフトウェアや組み込みシステムで広く使用されており、処理速度に優れたコンパイラ言語のなかでも最速といわれていることからパフォーマンスに優れています。
2.C++
C言語から派生した拡張版の言語です。オブジェクト指向プログラミングが可能であり、ゲームエンジンや業務アプリケーションなどで活用されています。
なお、オブジェクト指向プログラミングについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
プログラミングにおける「オブジェクト指向」とは？基本要素や三原則について解説
3.Rust
モダンなシステムプログラミング言語で、高い安全性とパフォーマンスの両立が特長です。GoogleやMicrosoft、Amazonなど、大企業のさまざまなプロジェクトでも活用されています。
なお、Rustについては以下の記事で詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
プログラミング言語「Rust（ラスト）」とは？特徴や活用事例、学ぶメリットをご紹介
4.Go
Googleが開発したコンパイラ言語で、軽量スレッドや並列処理が強みです。幅広いプラットフォームでの実行が可能なうえに、未経験者にも学習しやすい言語であることから比較的プログラミングが容易といえます。
5.Swift
Appleが提供するモバイルアプリ開発向けの言語で、iOSやmacOSアプリに使用されます。RubyやPython、Javaなど、さまざまな言語の要素を取り入れていることから、未経験者にも学習しやすいのが特長です。また、処理速度が高速でほかの言語の2倍以上ものスピードを発揮します。
コンパイラ言語のメリット・デメリット
コンパイラ言語には、メリット・デメリットがあります。
コンパイラ言語のメリット
コンパイラ言語のメリットは以下のとおりです。
・高速な実行性能：一度バイナリコードに変換されるため、実行速度が非常に速い
・静的型付けが多い：多くの場合、型が厳密にチェックされるため、エラーを事前に検出できる
・最適化が容易：コンパイラが最適化処理を行うため、パフォーマンスが向上する
コンパイラ言語は処理速度に優れて、それに伴いCPUなどにかかる負荷が小さくなっています。そのため、中規模以上のアプリケーションの開発に向いているでしょう。
また、エラーを事前に検出できるため、ケアレスミスを防止できる点もメリットといえます。
コンパイラ言語のデメリット
コンパイラ言語のデメリットは以下のとおりです。
・コンパイル時間がかかる：コード量が多いプロジェクトではビルドに時間がかかることがある
・バッグが難しい：コンパイル後のバイナリコードは可読性が低く、エラー箇所の特定が難しい
・実行環境の依存性：コンパイル済みのバイナリが特定のOSやハードウェアに依存する場合がある
コンパイラ言語はエラーを事前検出できますが、修正する場合は一筋縄ではいきません。一度すべて動かしてからでなければ修正できないという特性があります。
また、コンパイル言語は習得が比較的難しいうえに、コンパイラのインストールが必須など、開発するにあたって環境を整える手間がかかるケースがあります。
まとめ
コンパイラ言語は、高速な実行性能や最適化のメリットがある反面、コンパイル時間やデバッグの難しさが課題となります。とはいえ、システムやゲームなどパフォーマンスが重要な分野では引き続き欠かせない技術であるため、開発においては適切な選択が求められます。
エンジニアを目指している方は、今のうちからコンパイラ言語について理解を深めておきましょう。
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