多くの人がスマホでインターネットを利用する今の時代、企業のWebサイトには「レスポンシブデザイン」が強く求められています。そのため、エンジニアを目指している場合は、レスポンシブデザインへの理解を深めることが重要です。
今回は、レスポンシブデザインの概要から重要性、メリット・デメリット、実装方法まで解説します。ぜひ参考にしてみてください。
レスポンシブデザインとは
レスポンシブデザインとは、Webサイトを閲覧するユーザーの画面サイズに応じて、レイアウトやコンテンツの表示を自動で最適化する手法です。
たとえば、同じURLのWebページでも
・PCでは2カラム構成+横長画像
・スマートフォンでは縦1列+画像は画面幅にフィット
といったように、ユーザー環境に応じた最適表示を実現できます。
つまり、レスポンシブデザインを採用した場合、PCとスマートフォン、それぞれ専用のサイトを別で作る必要がないということです。ひとつのHTMLとCSSで完結するため、メンテナンス性・SEO効果ともに優れているのも特徴といえます。
なお、レスポンシブデザインは、主に「CSSのメディアクエリ」を使用して実装します。画面幅に応じてレイアウトや画像サイズ、フォントサイズなどが変更するよう設定できます。
レスポンシブデザインが重要な2つの理由
レスポンシブデザインが重要な理由には、主に以下の2つが挙げられます。
1.モバイルユーザーの急増
総務省が公表しているデータによると、端末別のインターネット利用率(個人)は「スマートフォン」が68.5%となっており、「パソコン」の48.1%を20.4ポイントも上回っています。これはつまり、多くの人がスマホでWebサイトを閲覧しているということです。
仮に、Webサイトをレスポンシブデザイン対応にしていない場合、スマホで閲覧したときに見づらくなり、早々に離脱される可能性があります。この点から、レスポンシブデザインの対応は昨今とくに重要だと考えられます。
2.Googleのモバイルファーストインデックス(MFI)
Googleは、2015年4月にモバイルフレンドリーアップデートを行いました。これは「モバイル版の検索結果において、モバイルフレンドリーなWebサイト(Webページ)の掲載順位が上昇する仕様になった」ということです。つまり、レスポンシブデザインに対応しているWebサイトほど上位表示されやすくなるといえます。
また、Googleはモバイルファースト インデックスにも取り組んでいます。これは、Webサイトのインデックス登録や検索順位の決定において、スマートフォンサイトを基準に評価を行う仕組みです。
スマートフォンサイトを用意することは、Googleの検索結果に自社サイトを表示するための要件ではないものの、Googleはこれを非常に強く推奨しています。
これらの点から、自社のWebサイトのコンテンツを検索結果に上位表示させるためには、レスポンシブデザインに対応することが必要不可欠といえるでしょう。
参照:モバイル フレンドリー アップデートを開始します|Google 検索セントラル
モバイルサイトとモバイルファースト インデックスに関するおすすめの方法|Google 検索セントラル
レスポンシブデザインにする2つのメリット

Webサイトをレスポンシブデザイン対応にするメリットは、以下の2つです。
1.保守性の向上
レスポンシブデザインに対応した場合、複数のデバイスごとにHTMLを用意する必要がありません。ひとつのコードベースで管理が可能になるため、開発・保守の工数削減につながります。
2.SEO効果の向上
上述のとおり、モバイルフレンドリーなページはGoogleにおいて評価が高くなるといわれています。そのため、レスポンシブデザインに対応した場合、検索順位の向上やトラフィック増加が期待できます。
レスポンシブデザインのデメリット
Webサイトをレスポンシブデザイン対応にするデメリットは、以下の2つです。
1.初期設計・構築コストがかかる
レスポンシブデザイン対応にする場合、デバイスごとの動作を考慮した設計が必要になります。そのため、ゼロから構築する場合は手間やコストが増えるでしょう。
2.複雑なデザインでは調整が難しい
レスポンシブデザインを考慮し、複雑なUIを多画面に対応させるためには、技術的な調整が必要不可欠です。フロントエンドの知見が求められるため、初心者の方には対応が難しいかもしれません。
レスポンシブデザインの実装方法
レスポンシブデザインを実装する際の基本ステップは以下のとおりです。
1.モバイルファーストの考え方で設計する
→ 小さい画面から順に考える(パフォーマンス・操作性を重視)
2.ビューポート設定を行う
3.メディアクエリでブレイクポイントを指定する
4.フレームワークを活用する(例:Bootstrap、Tailwind CSS)
5.画像のサイズ可変や表示切替を行う
レスポンシブデザインを実装するにあたっておすすめの学習・実装ツールは以下のとおりです。
・Chromeのデベロッパーツール:各デバイスでの表示確認
・Figma / XD:モック作成時にレスポンシブ設計
・GitHub + Netlify:自作ポートフォリオの公開
ぜひ活用して、Webサイトのレスポンシブデザイン対応を進めてみてください。
まとめ
レスポンシブデザインは、Webサイトの見た目を変えるだけでなく、「ユーザー体験」「SEO」「運用効率」「事業成長」など、すべてに直結する重要な要素です。スマホでWebサイトを閲覧する人が多い今の時代、とくに重要な対応といえます。
そのため、エンジニアを目指している方は、今回ご紹介した内容を参考にしながら、レスポンシブデザインに関する知識やスキルを深めておくとよいでしょう。
私どもTechClipsエージェントは、 ITエンジニアやITコンサルタントを目指す皆さまのキャリアプランの相談をはじめとした、 無料の転職支援サービスです。人生の目標やキャリアの方向性を整理し、一緒に考えていく作業に多くの時間を割いています。もしひとりで自分自身のキャリアや転職活動の進め方に悩んでいるのであれば、この機会にぜひご相談ください。
簡単60秒
無料 転職支援サービス申し込み