コストを抑えつつ導入できるうえに、業務の円滑化や発展が見込めるとして、昨今注目を集めている「XaaS（ザース）」。見聞きしたことはあっても、具体的にどういうものなのかご存じない方も多いのではないでしょうか？

今回は、そんなXaaSの概要や歴史、メリット・デメリット、代表的な種類についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

XaaS（ザース）とは

XaaS（ザース）とは「X as a service」の略で、あらゆるITサービスをインターネット経由で提供する形態を指します。「X」の部分にはさまざまな言葉が入り、具体的な種類としては「SaaS（Software as a Service）」「PaaS（Platform as a Service）」「IaaS（Infrastructure as a Service）」などが有名です。近年ではセキュリティやネットワーク、AIなど、多様な分野で「as a Service」が浸透しています。

XaaS（ザース）の歴史｜クラウドの進化とともに

XaaSの起源は、2000年代初頭のクラウドコンピューティングの登場に遡ります。

• 2006年：AmazonがAWSを発表（IaaSの代表例）
• 2010年前後：Google、MicrosoftなどがPaaS市場に参入
• 2010年代後半〜：クラウドが標準となり、XaaSの概念が一般化

SaaSやIaaSを起点に、より多様なサービスがXaaSとして提供され、企業のIT投資の形を根本から変えました。

XaaS（ザース）の特徴とメリット｜なぜ今、企業に選ばれているのか？

XaaSの特徴として、以下の4つが挙げられます。

XaaSは初期投資が不要なうえに、ハードウェアやソフトウェアなどの購入も不要です。そのため、コストを抑えて導入できる点は、大きなメリットといえます。

また、XaaSの料金形態は多くの場合、利用時間や使用データ量に応じて料金が変動する「従量課金制」、またはユーザー数に応じて料金が変動する「ユーザー課金制」です。どちらにせよ、利用した分だけ料金が発生する仕組みになっているため、コストの無駄も省きやすいでしょう。

このほか、XaaSは利用プランや利用人数、データ容量などを随時変更できるため、スケールアップやスケールダウンがしやすいという一面もあります。スケーラビリティが容易な点は、XaaSの効果的な利用にもつながります。

これらのメリットにより、XaaSの導入は企業のDX（デジタルトランスフォーメーション）を加速させる糸口となり、結果として競争力向上につながります。

XaaS（ザース）のデメリット｜万能ではない理由とは？

一方で、XaaSにも注意すべき点があります。

XaaSの導入ではクラウドを利用するため、サイバー攻撃のリスクが常に付きまといます。自社でデータ管理方法やインシデント対策など、セキュリティ整備に注力するのはもちろん、XaaSを提供するベンダーの信頼性を見極めるようにしましょう。

また、市場が拡大している分、利用しているベンダーが競争に敗れて、突然サービスを終了する可能性もあります。そのため、利用するベンダーを選ぶ際は経営状況もきちんと確認することが重要です。同時に、サービスが終了になっても業務に影響が及ばないよう対策を施しておくと安心です。

XaaS（ザース）の代表的な種類｜知っておきたいサービス一覧

以下は、XaaSの主要なカテゴリです。

近年では、「DBaaS（データベース）」「MLaaS（機械学習）」など、さらに細分化が進んでいます。

まとめ

XaaS（ザース）は、単なる技術トレンドではなく、IT業界のサービス提供や企業のIT戦略そのものを大きく変革する概念です。SaaSやIaaSといったクラウド技術はすでに業務の中核を担っており、今後ますます多様化・進化していくことが予想されます。

そのため、これからエンジニアを目指す方は、この記事をきっかけにXaaSへの理解を深めておくとよいでしょう。自らのキャリアを切り開きやすくなるかもしれません。

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