ITエンジニアが安定して結果を出し続けるために必要なスキルに「プログラミング的思考」があります。しかし、この思考法がどのようなものなのかご存じの方は少ないのではないでしょうか？
そこで今回は、プログラミング的思考の概要とともに、身につけることで得られるメリットやプログラミング的思考を鍛える方法などについて解説します。ぜひご覧ください。
プログラミング的思考とは
プログラミング的思考とは「問題を定義し、解決までの手順を構造化・最適化する思考法」です。単にコードを書く能力ではなく、次の4つの要素で構成されます。
これらは、要件定義・実装・テスト・保守のすべてに関わってきます。
プログラミング的思考を身につけることで得られるメリット
プログラミング的思考が不足していると、以下のようなケースに陥りがちです。
- やみくもなコード修正でバグが悪化
- 似たような処理が至るところでコピペされている
- APIや設計書が意図不明でレビューが通らない
- 要件定義の時点で実装パターンを想定できていない
これらを回避するためにもプログラミング的思考を身につけることが重要であり、それには以下の4つのメリットがあります。
1.実装の効率化
プログラミング的思考を身につけることで、物事の優先順位を考えることが習慣化します。これにより作業スピードが上がり、実装の効率化につながります。ひいては冗長なコードの削減も期待できるでしょう。
2.バグの早期発見
プログラミング的思考によりロジック構造が整理されることで、想定外の挙動をすぐに検出できるようになります。具体的には、全体像を理解し最適なアプローチを考え、取り組みを振り返るという一連の流れが習慣化するため、バグの早期発見、ひいては問題解決がスムーズになります。
3.設計フェーズの品質が向上
バグの早期発見により、設計フェーズの品質が向上が期待できます。これは、開発コストの圧縮にもつながり一石二鳥です。
4.チーム内外のコミュニケーションがスムーズに
プログラミング的思考を身につけると設計意図が明確になるため、説得力・交渉力が向上します。これにより、人への指示出しやプレゼンテーション、商談など、チーム内外のコミュニケーションがよりスムーズになることが期待できます。
プログラミング的思考を鍛える方法
では、プログラミング的思考はどのようにして鍛えればよいのでしょうか？
実践的な方法でいうと、たとえばフローチャートや構造図を作成するのがおすすめです。視覚的にロジックを整理することで、プログラミング的思考を鍛えやすくなります。
また、擬似コード（Pseudocode）の活用も有効です。コード化前に思考をテキスト化することで、問題を解決する手順をロジカルに考えられるようになります。
日常的な方法でいうと、たとえば買い物や料理のアルゴリズムを考えるのがよいでしょう。冷蔵庫のなかにある余り物から作る料理をイメージして買い物することは、プログラミング的思考を鍛える方法として有効といえます。
このほか、プログラミング学習向けのカードゲーム・ボードゲームで遊ぶのもおすすめです。楽しみながら論理的思考を養うことができます。
プログラミング的思考を仕事で活かすには？
プログラミング的思考を仕事で活かすには、異なる視点を持つよう意識することが重要です。プログラミング的思考を利用して物事を多角的に捉えることで、より広範囲で状況把握ができるようになり、問題を解決しやすくなります。
また、重要度をもとに優先順位をつけることを意識するのもよいでしょう。プログラミング的思考の「分解」と「アルゴリズム化」を取り入れることで、業務内容を抽象的に捉えたうえで効率よくタスクを処理していくことができます。
まとめ
プログラミング的思考は、単なる理系的頭脳ではなく、「ITエンジニアが安定して結果を出し続けるための必須スキル」です。
- コードの効率を高めたい人
- 設計段階からの品質向上を目指す人
- 転職時に強みを明確にしたい人
上記に該当する方は、まず「プログラミング的思考の言語化と習慣化」から始めましょう。
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