はじめに
転職エージェントをしていると、 “今の会社では超優秀なのに、転職市場に出た瞬間まったく刺さらない人”を、
驚くほどたくさん見ます。
社内では「◯◯さんがいないと困る」「ウチのキーマンだ」と絶賛されていたのに、 いざ職務経歴書を作ると、
「……で、他社でも活かせるものは何?再現できる実績はどこ?」と手が止まってしまう。
本人は悪くありません。 むしろ真面目に仕事をしてきた結果、社内でしか通用しないスキルが増えてしまったのです。
この記事は、そんなエージェント目線の“リアル”を交えてお伝えします。
1. 「会社で重宝される理由」の多くは、スキルではない
エージェントとして話を聞くと、今の会社で評価されている理由が実は
「その会社の暗黙知に詳しいから」というケースが非常に多いです。
・あの部長はこの順番で持っていくと機嫌がいい ・社内のシステムは20年前の仕様を知っていないと壊れる ・稟議の通し方に癖がある ・この顧客はこの担当しか懐かない
こういう“社内攻略法”は、転職した瞬間に 価値ゼロ になります。
ところが本人はそのことに気づいていない。 「自分の価値は高い」と思ったまま市場に出て、 書類が全然通らずショックを受ける。
これはエージェントとして、本当に何度も見てきた光景です。
2. 社内で“優秀扱い”される人ほど、職務経歴書が書けない
転職意欲が低いベテランの方に多いのが、「成果を言語化できない」問題。
長く社内にいるほど、
・前任者の苦労 ・プロジェクトの歴史 ・裏事情 ・社内政治 ・現場の人間関係
こうした“背景知識”が頭の中に入りすぎて、 本来書くべき 「成果」や「再現性のあるスキル」 がぼやけてしまうのです。
エージェント目線で言うと、 職務経歴書が書けない、面接で話せない=転職市場で評価されにくい
という残酷な構造があります。
3. 転職市場は“社外で通用するスキル”しか見ていない
企業が選考で見るのは、たった3つ。
① 他社でも再現できるスキルか?
② 構造化された成果か?
③ 今後の市場ニーズに合っているか?
つまり、社内での人気・信頼・古参としての影響力は、
エントリーする企業には一切関係ありません。
4. 社内に最適化されたスキルのまま40代を迎える危険性
転職意欲が低い人からよく聞くのが、
「いまは転職する気がないので大丈夫です」という言葉。
しかしエージェント目線では、 むしろ 転職する気がない今こそキャリアを見直すべきだと思っています。
理由はシンプルで、 会社の状況が変わると、本人の準備が追いつかないから。
・事業撤退 ・部署消滅 ・希望退職 ・経営統合 ・若手への権限移譲 ・技術の陳腐化
こうした変化は、ベテランのタイミングを待ってくれません。
そして、社内に最適化されたスキルしか持っていないと、 いざというとき転職できる選択肢が極端に減ります。
これは本当に何度も見た現実です。
5. 転職活動は「困ってから」ではなく「困る前」に始めるもの
転職市場で苦戦するのは、スキルが低い人ではなく、
“準備をしていなかった人”です。
・履歴書が古い ・職務経歴書が書けない ・市場価値を把握していない ・自分の強みが言語化されていない ・正しく選考対策ができていない
転職したくないならそれで構いません。 でも、いざという時に困らないような“逃げ道”だけは確保してほしい。
転職は走りながら準備するにはあまりに重い作業だからです。
6. 転職意欲が低い人にこそ伝えたい「最強の戦略」
転職エージェントをしていて思うのは、転職意欲が低い人は、一番強い。ということ。
なぜなら、
・焦っていない ・冷静に市場を見れる ・条件交渉で妥協しない ・企業の良し悪しを見極められる
だからこそ、 “今の会社で重宝されている”状態を続けながらも、 同時に“いつでも転職できる状態”を作るのが最も合理的です。
これは、私が何百人ものキャリアを見てきて行きついた結論です。
7. まとめ
今の会社で評価されていることは素晴らしいこと。 ただし、それと市場価値はまるで別物。
・社内特化スキルは外でゼロになる ・職務経歴書が書けない人は評価されない ・会社の変化は突然起きる ・転職意欲が低い“今”こそ最強の準備ができる
転職する必要はありません。 ただし、「外からどう見えるか」だけは、常に把握しておくべきです。
それが、エージェントとしての本音であり、 あなたのキャリアを守るための唯一の方法だと思っています。
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