2020年から小学校の授業でプログラミングが必修になったこともあり、今や多くの人にとってプログラミングが身近な存在となっています。この背景には、さまざまなビジネスでプログラミングが重要視されていることも関連しており、実際に多岐にわたる職種で中心的な役割を果たしています。
そこで今回は、プログラミング・プログラミング言語の概要とともに、プログラミングを学ぶ意味、プログラミングを使ってできること、プログラミングの学習方法などをご紹介します。
転職を有利に進めるためにも、自らの活躍の場を広げるためにも、プログラミングの知識・スキルを高めましょう。
プログラミングとは?
プログラミングとは、人間がコンピュータに対して特定のタスクや処理を実行させるために、プログラムを作成する作業のことです。プログラムは一連の命令やコードで構成されており、コンピュータがそれを読み取り、指定された処理を実行します。
プログラミング言語とは?
プログラミング言語とは、コンピュータに命令を伝えるための言語です。この言語を使用して、プログラムやソフトウェアを開発します。
以下は、主要なプログラミング言語です。
1.Python
シンプルで読みやすい構文のプログラミング言語です。データ分析や人工知能(AI)、Web開発など幅広い分野で使われています。
数あるプログラミング言語の中でもシェア率が高く、将来性が期待できることから、まずはPythonを習得するのがおすすめです。
2.Java
オブジェクト指向プログラミングの代表的な言語で、プラットフォームに依存せずに動作するのが特徴です。主に、企業のシステムやAndroidアプリ開発に使われます。
Javaそのものは技術的難易度が高めですが、学習教材や情報サイトが充実しているため、学習しやすい言語といえます。
3.C++
高速で効率的なプログラムを作成できる言語で、主にゲーム開発やシステムプログラミングに使われます。C言語の拡張版で、オブジェクト指向の機能が追加されています。
4.JavaScript
主にWebブラウザ上で動作するスクリプト言語で、Webサイトのインタラクティブな要素や動的なコンテンツを作成するために使用されます。
具体的には、インターネットの画面上に広告が自動的に表示される「ポップアップウィンドウ」を、JavaScriptで作成します。
5.Ruby
シンプルで美しい構文を持ち、主にWebアプリケーションの開発に使われる言語です。Ruby on Railsというフレームワークでよく知られています。
Rubyは日本人が開発した言語なので日本人にとって読み書きしやすく、学習環境も整っているため習得しやすいといえます。
6.SQL
データベースと対話するための言語で、主に「データ定義言語」「データ操作言語」「データ制御言語」の3つで構成されています。データベースと対話するように命令を下す仕様になっており、基本的にデータの取得や更新、削除、挿入などの操作を行います。
各言語に特定の強みや用途があり、それを活かして効果的なプログラムを作成します。そのため、どのプログラミング言語を使うかは、プロジェクトの要件や目的、開発環境によって異なります。
プログラミングを学ぶ意味
プログラミングを学ぶ意味は多岐にわたりますが、とくに重要な意味は以下の2つです。
1.論理的思考の強化
プログラミングは、失敗を繰り返すことで成功につながる作業なので、論理的な考え方を必要とします。つまり、プログラミングに取り組んでいると論理的思考を強化できるのです。
論理的思考が身につくと、ほかの分野での問題解決や意思決定にも役立てることができます。この点から、プログラミングを習得することには意味があるといえます。
2.キャリアの選択肢
テクノロジー業界ではプログラミングスキルが非常に重視されており、ソフトウェアエンジニアやデータサイエンティスト、Webデベロッパーなど多くの職種が求められます。
プログラミングを習得すれば、これらのキャリアに進むための基盤を築くことができるため、学ぶ意味は十分あるといえるでしょう。
プログラミングを使ってできることは?
プログラミングを使ってできることは非常に幅広く、多様な分野にわたります。以下はその一例です。
1.ソフトウェア開発
プログラミングを通して、デスクトップアプリケーションやモバイルアプリ、ゲームなど、さまざまなソフトウェアを開発できます。具体的には、業務効率を向上させるツールやエンターテイメント目的のアプリケーションなどを作ることが可能です。
2.Web開発
プログラミングを習得すれば、WebサイトやWebアプリケーションを作成し、インタラクティブなコンテンツを提供できます。具体的には、フロントエンド(ユーザーインターフェース)やバックエンド(サーバー側)の開発が可能です。
3.データ分析
プログラミングによって、大量のデータを分析し、パターンやトレンドを見つけることができます。これにより、ビジネスインサイトを得たり予測分析を行ったりすることが可能です。
4.機械学習とAI
プログラミングをマスターすれば、「機械学習アルゴリズムを使用してデータから学習し、自動化された予測や分類を行うシステム」を構築できます。具体的には、画像認識や自然言語処理、音声認識などの開発が可能です。
5.自動化
プログラミングについて学ぶことで、定型的な作業やプロセスを自動化するためのスクリプトまたはツールを作成し、作業の効率を向上させることができます。これにより、たとえばデータの処理やファイルの管理を自動化が叶います。
6.システム管理
サーバーやネットワークの設定、監視、保守などをプログラムで行うことができます。具体的には、システムのパフォーマンスを監視するスクリプトや、自動バックアップの設定などを実現できます。
7.ゲーム開発
ゲームエンジンを使えば、コンピュータゲームやモバイルゲームを作成することができます。具体的には、ゲームのロジックやグラフィックス、インタラクションの設計などが可能になります。
8.IoT(Internet of Things)
センサーやデバイスをプログラムすることで、データを収集したりデバイスを制御したりすることができます。これにより、スマートホームや産業用IoTソリューションを実現できます。
9.デジタルコンテンツ作成
プログラミングを習得すれば、Webサイトやアプリ、インタラクティブなメディアなどのコンテンツを作成し、ユーザーに提供することができます。
プログラミングを使うことで、これらのさまざまな分野で新しいソリューションやプロジェクトを実現できます。
プログラミングの主な学習方法
プログラミングを勉強する際は、自分に合った学習方法を選ぶことが大切です。
1.学習リソースを探す
オンラインコースや書籍、チュートリアルなどの学習リソースで学ぶことができます。
2.実践的なプロジェクトを作成する
学んだ知識を使って実際にプロジェクトを作成することで、スキルを向上させることができます。簡単なアプリケーションやツールを作ってみるとよいでしょう。
3.問題解決能力を高める
コーディング練習や問題解決に特化したサイト(LeetCode、HackerRank、Codewarsなど)を使って、アルゴリズムやデータ構造の理解を深めるのもおすすめです。これにより、実際の現場でプログラミングをするにあたって問題が発生した際に対応できる能力を身につけやすくなります。
4.コミュニティに参加する
フォーラムやオンラインコミュニティ(Stack Overflow、Redditのプログラミング関連サブレディットなど)に参加して、質問や情報交換を行いましょう。コミュニティのメンバーと交流することで、疑問を解消したりモチベーションを高めたりすることができます。
5.コーディング習慣をつける
定期的にコーディングの練習を行い、スキルを磨きましょう。少しずつでも毎日コーディングする習慣をつけると、着実にスキルが向上します。
6.フィードバックを受ける
自分のコードをほかの人にレビューしてもらうことで、改善点や新たな学びが得られます。オンラインのプログラミングコミュニティやコードレビューサービスを利用するとよいでしょう。
プログラミングを行う仕事
プログラミングを行う仕事は非常に多岐にわたります。以下で代表的な職種をご紹介します。
1.ソフトウェアエンジニア
ソフトウェアアプリケーションやシステムを設計・開発・テストする職種です。デスクトップアプリケーション、モバイルアプリ、Webアプリケーションなど多様なソフトウェアの開発に関与します。
2.Webデベロッパー
WebサイトやWebアプリケーションの設計・開発・保守を行う職種です。フロントエンド(ユーザーが直接触れる部分)とバックエンド(サーバー側の処理)の両方に携わることがあります。
3.データサイエンティスト
データの収集・分析・可視化を行い、ビジネスの意思決定をサポートする職種です。大量のデータから有益な情報や傾向を見出し、ビジネス上の課題を解決するための洞察を提供します。
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4.機械学習エンジニア
機械学習モデルの設計、トレーニング、評価を行う職種です。人工知能(AI)やデータサイエンスの知識を活かして、予測や分類などのタスクを実行します。
5.ゲームデベロッパー
ビデオゲームの設計や開発、テストを行う職種です。ゲームエンジンを使用して、ゲームのロジックやグラフィックス、ユーザーインターフェースなどを構築します。
6.システムエンジニア
ITシステムやインフラストラクチャの設計・構築・保守を担当する職種です。このほか、ネットワークの管理やサーバーの設定なども行います。
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7.アプリケーションエンジニア
特定のアプリケーションソフトウェアを設計・開発・保守する職種です。具体的には、ビジネスや業界に特化したアプリケーションの開発に携わります。
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8.DevOpsエンジニア
ソフトウェアの開発(Dev)と運用(Ops)を統合し、開発から運用までのプロセスを効率化する職種です。CI/CDパイプラインの構築や自動化、クラウドサービスの管理などを行います。
9.セキュリティエンジニア
システムやネットワークのセキュリティを確保し、脅威から保護する役割を担う職種です。具体的には、セキュリティポリシーの策定やリスク評価、脆弱性の修正などを行います。
10.テクニカルサポートエンジニア
ソフトウェアやハードウェアの問題に対するサポートを提供する職種です。顧客やユーザーからの技術的な質問や問題を解決します。
11.ITコンサルタント
クライアントに対してITソリューションや戦略を提案し、プロジェクトの計画・実行・管理を支援する職種です。ビジネスニーズに合わせた技術的なアドバイスを提供します。
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プログラミングはこれらの職種で中心的な役割を果たします。そのため、プログラミングを習得すればさまざまな分野や業界で活躍することができます。
まとめ
プログラミングとは、コンピュータに対して特定のタスクや処理を実行させるための作業のことです。ソフトウェア開発やWeb開発、データ分析など、さまざまな作業に役立てられるほか、多岐にわたる職種で中心的な役割を果たします。そのため、プログラミングを習得すれば自らの活躍の場を広げやすくなります。転職を検討している方は、希望する職種に就くためにも、積極的にプログラミングについて学んでみてください。
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