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更新日: 2026/10/15

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結論から言うと、「SESを辞めたい」と思ったときに最初にやるべきことは、退職届を書くことでも求人を眺めることでもなく、「辞めたい理由が今の会社で解決できるものか、転職でしか解決できないものか」を切り分けることです。理由が後者なら、SESの経験は事業会社・SIer・コンサルへの転職で十分に武器になります。この記事では、SESを辞めたくなるよくある理由、辞める前に確認したいこと、SESの将来性、そして後悔しない次のキャリアの決め方を順に解説します。

この記事の要点(早見表)

辞めたい理由今の会社で解決できる可能性転職で解決しやすいか
給与が低い低い(単価構造の問題)高い:自社開発・社内SE・コンサルで改善しやすい
長時間労働・休日出勤中(案件変更で改善することも)高い:常駐先に依存しない働き方へ
キャリアパスが見えない低い高い:評価制度のある事業会社へ
案件の内容・技術が合わない中(営業に希望を出す)高い:技術スタックで会社を選べる
次の案件が決まるか不安低い高い
人間関係中(常駐先変更で解消することも)中:転職先でも起こり得る
学ぶ機会がない中(自己学習は可能)高い:研修・技術投資のある会社へ

SESとは(前提の整理)

SES(System Engineering Service:システムエンジニアリングサービス)とは、システム開発における委託契約のひとつで、SES企業に所属するエンジニアがクライアント企業のプロジェクトに参加し、設計・開発・保守などの技術支援を行う形態です。いわゆる「客先常駐」と呼ばれる働き方で、所属会社とは別の会社のオフィスやプロジェクトで働くのが一般的です。

未経験からでも採用しているSES企業が多く、駆け出しエンジニアにとってはSESが登竜門になるケースもあります。SESという働き方そのものの特徴やメリット・デメリットは、SES企業について深掘り!嫌がられる理由とともに働くメリットを解説で詳しく解説しています。

「SESを辞めたい」と思う7つのよくある理由

深夜まで残業するエンジニア

「SESを辞めたい」と考えたら、まずはその理由を言葉にすることが大切です。理由によって「今の会社で解決できるのか」「転職しないと解決しないのか」が変わるからです。一般的には、次の7つの理由で退職を検討する人が多くいます。

1. 給与が上がらない

SESは多重下請け構造の中に位置することが多く、クライアントが支払う単価のうちエンジニア本人に還元される割合が小さくなりがちです。同じスキルでも、元請けや自社開発企業と比べて給与水準が低くなりやすく、「頑張っても上がらない」と感じて退職を検討する人が多い理由です。これは個人の努力よりも契約構造の問題なので、今の会社に残ったまま解決するのは難しいケースがほとんどです。

2. 長時間労働・休日出勤が続く

プロジェクトの納期や要件はクライアントによって異なります。炎上している現場に配属されると、長時間労働や休日出勤が長期間続くことも珍しくありません。体力的にも精神的にも大きな負担になり、これが不満となって退職につながるケースがあります。案件を変えれば改善することもあるため、まずは所属会社の営業担当に相談する価値があります。

3. キャリアパスが見えない

SESとして常駐するエンジニアは、クライアント企業のプロジェクトに関与しますが、その後のキャリアの方向性や昇進の機会が限定的であるケースがほとんどです。常駐先で評価されても所属会社の昇給・昇格には直結しにくく、「3年後、5年後の自分が想像できない」という不安が退職理由になります。

4. 案件の内容・技術が希望と合わない

希望の技術を扱えなかったり、得意な分野のプロジェクトに参加できなかったりすることもあります。テストや運用保守などの単純作業が多い案件にアサインされ続け、なかなかやりがいや成長を感じられないこともあるでしょう。いわゆる「案件ガチャ」に左右される働き方が、モヤモヤの原因になります。

5. 次の案件が決まるか分からない不安定さ

プロジェクトが終了した際に次の案件がすぐ決まるのか、待機になるのか、業務内容がガラッと変わるのか——この不透明さがストレスになります。常駐先が変わるたびに環境・人間関係・技術をゼロから作り直す負担もあり、安定を求めて退職を検討する人も少なくありません。

6. 人間関係のストレス

所属会社内での人間関係に加えて、常駐先での人間関係もあるのがSESの特徴です。常駐先では「外部の人」として扱われ、孤立感を覚えることもあります。常駐先を変えれば解消することも多いため、これだけが理由なら転職の前に案件変更を相談するのが先です。

7. 技術を学ぶ機会がない

最新の技術やスキルを学ぶ機会が少なく、成長はすべて自己投資頼み——という環境も、SESを辞めたいと考える理由になります。キャリア志向が高く、自ら成長の機会を確保しようとする人ほど、より技術投資に積極的な環境を求めて退職を検討する傾向があります。

これらの理由にくわえ、エンジニア自身の価値観や希望するキャリアパス、生活環境などの個人的な要因も影響します。大切なのは「なんとなく辞めたい」を「この理由で辞めたい」に言語化することです。

辞める前に確認したい3つのこと

キャリアを分析するビジネスパーソン

1. 辞めたい理由は「会社」の問題か「SESという働き方」の問題か

人間関係や炎上案件が理由なら、常駐先を変えるだけで解決することがあります。一方、給与構造・キャリアパス・案件ガチャはSESという契約形態そのものに由来する問題なので、別のSES企業に移っても繰り返しやすい点に注意してください。前者なら社内で相談、後者なら働き方そのものを変える転職が選択肢になります。

2. 上司・営業担当に改善を相談したか

「SESを辞めたい」と思った理由を今の会社で改善できるかどうか、上司や営業担当との面談を申し入れてみましょう。案件変更の希望、扱いたい技術、残業の上限などを具体的に伝え、改善の余地があるかを確認します。ここで「検討します」のまま何も変わらないなら、転職の判断材料がひとつ増えたことになります。

3. 自分の経験が市場でどう評価されるか知っているか

辞めると決める前に、現在の経験・スキルが転職市場でどう評価されるかを知っておくと、判断の精度が上がります。転職エージェントとの面談は「辞める」と決めていなくても受けられるので、情報収集として活用して構いません。SES出身者の評価ポイントはSESから事業会社へ転職するには?今本当に求められる4つの要素で解説しています。

SESの将来性は?残る・出るを判断するための視点

「SESに将来性はあるのか」も、辞めるかどうかを考えるときに気になるポイントです。ここでは市場としてのSESと、個人のキャリアとしてのSESを分けて整理します。

市場としてのSES:需要自体はなくならない

SES市場の行方は、技術の進化、競合状況、法規制、経済状況など多くの要因に左右されます。ただ、DXの加速やクラウドサービスの普及、セキュリティニーズの増加など、「IT人材が足りない企業が外部の技術力を必要とする」という構造は当面続くと考えられ、SESの需要自体が急になくなる可能性は低いでしょう。

SES市場が拡大すると考えられる要因

一方で、競合の激化や、AI・ローコードなど新しい技術が従来のSES業務の一部を置き換える可能性もあります。「市場があるから安泰」とは言い切れない点は押さえておきましょう。

生き残るSES企業の条件

市場が続いても、すべてのSES企業が同じように残るわけではありません。単なる人員供給ではなく、特定の技術領域での専門性、エンジニアの育成・評価制度、元請けに近いポジションでの取引など、競争力を維持する条件を満たしているかで差がつきます。今の会社がどちら側にいるかは、「残る」判断をするうえで重要な材料です。

市場で残るSES企業が押さえるべきポイント

個人のキャリアとしてのSES:「いつまで」を決めておく

市場の将来性と、あなた個人がSESに居続けるべきかは別の話です。SESは複数の現場・技術を経験できる反面、年次が上がるほど「上流工程の経験がない」「ひとつのプロダクトを育てた経験がない」ことが転職で不利に働きやすくなります。残る場合も「〇年で上流を経験する」「〇歳までに自社開発へ移る」など、期限を自分で決めておくことをおすすめします。

SESから脱出する手順:5つのステップ

非常口のサイン

辞めたい理由が今の会社では解決できないと分かったら、計画的に転職の準備を進めましょう。勢いで退職してから探し始めると、収入面の焦りから「とりあえず別のSES」を選んでしまいがちです。在職中に次の5ステップを進めるのが基本です。

ステップ1:キャリア目標を明確にする

自分が求めるキャリアや生活スタイル、価値観を言葉にします。「年収を上げたい」「ひとつのプロダクトを長く育てたい」「上流工程に関わりたい」「残業を減らしたい」など、優先順位をつけておくと、転職先のタイプを選びやすくなります。

ステップ2:経験の棚卸しと「意味づけ」

これまでの案件ごとに「背景→課題→自分の判断→工夫→成果→学び」を整理します。SES出身者の選考で最も差がつくのは、技術力よりもこの言語化です。整理した内容は職務経歴書にそのまま使えます。書き方はITエンジニアの職務経歴書の書き方を参考にしてください。

ステップ3:足りないスキルを在職中に埋める

目標とする転職先に必要なスキルと、現在の経験のギャップを洗い出します。今の案件で経験できることがあれば営業担当に希望を出し、難しければ資格取得や個人開発で補います。SESで培ったスキルが新しい分野でも活かせる場合は、その「活かし方」を言葉にしておきましょう。

ステップ4:転職活動(エージェント・求人サイト・ネットワーク)

転職エージェントや求人サイトを活用して、希望に合った求人を探します。勉強会やコミュニティなどのネットワークから情報を得るのも有効です。労働条件や福利厚生だけでなく、開発体制・評価制度・技術投資の姿勢まで確認し、「SESを辞めたい理由」が解消される会社かを見極めましょう。面接での話し方はITエンジニア転職の面接対策で解説しています。

ステップ5:退職手続きと引き継ぎの準備

内定が出てから退職の意思を伝えるのが基本です。SESの場合は常駐先の契約期間との兼ね合いがあるため、契約更新のタイミングを確認したうえで、所属会社に早めに相談し、引き継ぎを計画的に進めましょう。円満に退職できれば、前職の人脈が将来の財産になります。

後悔しない次のキャリアの決め方:SES出身者の転職先4タイプ

SESから転職する場合、主な行き先は次の4タイプです。「辞めたい理由」のどれを解消したいかで、合う転職先は変わります。

転職先タイプ特徴向いている人
SIer(元請け・一次請け)他社のシステム構築を受託。上流工程・PM経験を積みやすい要件定義・設計など上流に進みたい人
ITコンサルティング企業経営課題にITで助言・実行支援。年収水準は高め技術だけでなく業務・経営に関わりたい人
自社サービス・自社開発企業自社のWebサービス・アプリを開発。ひとつのプロダクトを継続的に育てるプロダクト志向、モダンな技術で開発したい人
事業会社の社内SE自社システムの企画・運用・ベンダー管理。働き方が安定しやすいワークライフバランスや安定を重視する人

事業会社・自社開発を目指す場合に求められる考え方はSESから事業会社へ転職するには?、ITコンサルを目指す場合はITコンサルタント向け転職エージェントの選び方を参考にしてください。

SES出身者が転職エージェントを使うときのポイント

転職エージェントを使うなら、「SESを辞めたい」と伝えたときに別のSES求人ばかり紹介してくるエージェントは避けるべきです。面談では「SES出身で事業会社に決まった方の事例を教えてもらえますか?」と聞いてみてください。具体的に答えられるか、経歴の棚卸しを一緒にやってくれるかが見極めのポイントです。エージェント全体の比較基準はITエンジニア向け転職エージェントの選び方|失敗しない7つの比較ポイントにまとめています。

TechClipsエージェントは、レガシーSIer・SESからのキャリアチェンジに特化した転職エージェントで、現役エンジニアがカウンセリングを担当します。「まだ辞めると決めていない」段階でのキャリア相談も歓迎しています。

よくある質問(FAQ)

Q. SESを辞めたいのは甘えですか?

A. 甘えではありません。給与構造やキャリアパスの不透明さなど、SESの働き方に由来する問題は個人の努力では解決しにくいものです。大切なのは理由を言語化し、今の会社で解決できるか・転職が必要かを冷静に切り分けることです。

Q. SESを辞めるベストなタイミングはいつですか?

A. 転職先の内定が出てから、かつ常駐先の契約更新の区切りに合わせるのが最もスムーズです。勢いで先に退職すると収入面の焦りから妥協しやすくなるため、在職中に準備を進めることをおすすめします。

Q. SES経験しかなくても自社開発企業に転職できますか?

A. できます。内製化を進める企業は増えており、現場で手を動かしてきた経験は評価されます。ポイントは各案件で「自分が判断したこと・改善したこと」を言語化できるかどうかです。

Q. 別のSES企業に転職するのはありですか?

A. 辞めたい理由が「今の会社固有の問題」(人間関係、営業の質、待遇)なら選択肢になります。ただし給与構造や案件ガチャなど、SESという働き方に由来する理由なら、別のSESでも繰り返す可能性が高い点に注意してください。

Q. SESに将来性はありますか?

A. IT人材不足を背景に、SES市場の需要自体は当面続くと考えられます。ただし個人のキャリアとしては、年次が上がるほど上流経験やプロダクト経験の不足が不利になりやすいため、「いつまでSESで働くか」を自分で決めておくことが大切です。

まとめ

「SESを辞めたい」と感じたら、まずはその理由を言葉にし、今の会社で解決できる問題か、SESという働き方に由来する問題かを切り分けましょう。後者であれば、キャリア目標の明確化→経験の棚卸し→スキルの補強→転職活動→退職準備の順で、在職中に計画的に進めるのが後悔しない進め方です。SESの経験は、正しく言語化すればSIer・コンサル・自社開発・社内SEのいずれでも武器になります。

TechClipsエージェントは、レガシーSIer・SESからのキャリアチェンジに特化した無料の転職支援サービスです。現役エンジニアがカウンセリングを担当し、利用者の95%が年収UP、転職後1年以内の離職者ゼロという実績があります。ひとりでキャリアに悩んでいるなら、「辞めるべきかどうか」の整理からでもお気軽にご相談ください。

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